ソワソワする日 ページ16
翌日、目覚ましのアラームは
いつもよりもうるさく聞こえた。
行きたくない。
休める事なら休みたい。
重たくなかなか開いてくれない目を開け
はぁぁぁ…と長いため息を吐く。
ぼけーっとしていても仕方がない。
時間は無限にあるわけじゃない。
特に朝はギリギリまで寝ているせいで
余計な事を考えている暇はない。
制服に着替え、携帯をポケットにしまい
コートとマフラーを抱え、階段を下りる。
リビングでは朝食の用意が終わり
テレビを見ているママにおはようと声をかける。
「チョコレート、忘れないようにね！」
と冷蔵庫から昨日買ってきた包みを
はいっ、と紙袋に詰めてくれた。
渡す予定、ないんだけどなぁ…
なんて思って苦笑いすると
どんな子？うまくいったら教えてね！
と楽しそうに笑う。
仕方ない….
やっぱりクラスの男の子に渡そう。
自分で食べてもいいかな？
そう決めて紅茶を一口流し込む。
いってきまぁす、と出かける頃には
あれ？これ間に合うんか？
急がないと遅刻するかもしれないな
という時刻に到達していて
ぐるぐるとマフラーを巻き直し
スニーカーの紐もキュッときつく結び直す。
なーにがバレンタインだ。
浮かれてんじゃねーよこのやろう。
と、幸せそうに手を繋いで歩くカップルに
邪念を振り撒きながら登校した。
案の定朝から
ソワソワと落ち着かない男の子
鞄の中を何度も確認する女の子
いろんな形のバレンタインデーが始まっていた。
教室に着く迄に
何組のイチャつく男女を目にした事だろうか。
先生早く授業を初めて下さい。
なんて思ったのは産まれて初めてだった。
何も考えたくない。
そんな時は授業に集中するしかない。
あまり理解はしてなくても
ふーん、とかへぇー、とか
頭の中で相槌を打ちながら
集中、集中と気持ちを落ち着かせる。
こうしているとどういうわけか
ちょっとだけ頭が良くなった気がしてくる。
すると
カサっ、と頭に何かが当たる。
くしゃくしゃになった紙が
ポトンと肩にバウンドしてから
コロリと机の上に落ちる。
あぁ、どうせまたマイキーだ…と思い
あんまり今日は顔は見たくなかったけど
後ろをちらっと振り向くと
紙を開け、というポーズをしている。
仕方なく先生に見つからないように
カサカサと開いてみると
【俺のチョコは？】
と書いてあった。
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ミリカ(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» うわー🥺嬉しいです！ありがとうございます♡もうすぐ終わる予定なので、楽しみにお待ちくだされ😭🙏 (2021年10月24日 22時) (
レス) id: 74af4c8036 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ、めっちゃ好きです。更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ。 (2021年10月24日 21時) (レス) @page16 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミリカ | 作成日時：2021年10月22日 16時
