検索窓
今日:5 hit、昨日:9 hit、合計:19,159 hit

口を開くと ページ2

天気のいい日の窓側の席は
どういう訳か眠気を誘う。
陽の当たる机はほんの少し暖かくて
突っ伏して寝ていると毛布がかかってるような
そんな気分で
先生の低くゆっくりと喋る声は最高の子守唄になる。





眠い。
あくびが止まらず、声も途切れ途切れに聞こえてくる。
昨日何時に寝たっけ?
考え事してて遅くなった気がする。
あのマンガの続き早く読みたいな…
なんてぼやっとした頭で考えていると
頭にコツン、と何かが当たる。




コロン、と落ちる何かを拾うと
汚れて小さくなった消しゴム。

誰だ?今ぶつけたの?
と思ってキョロキョロとしてみると
ニヤニヤしながら肩をプルプルと震わせる
マイキーの姿が見えた。



そんな事だろうと思った。
中学生にもなって消しゴムを投げてくる奴なんて
あいつくらいしかいないだろう。



【寝かせてよ】
と書いたメモ帳をペリペリと切り離し
後ろの席の子にマイキーに渡して、とそっと渡す。




数分後、今度はくしゃくしゃになった紙が飛んでくる。
何か文字が書いてあるようで、紙を元に戻すと
【寝るなバカ】
と書いてあった。



寝て何が悪い。
あんたの事考えてたら昨日眠れなかったんだよ
悪いかばかやろう。




すっきりしない。
心に溜めておくだけで
口に出せない言葉は
行き先を失い、ため息に変わる。





あーあ、何でこんな風になっちゃったんだろう
最初からもっと素直になっていれば
こんな関係じゃなかったんだろうなぁ…
なんて思うと、胸が苦しくなる。



他の子みたいに
「マイキーくんバイバイ」
とか
「マイキーくんってかっこいいね」
って可愛く言えたらいいんだけどな。




どこで間違えたんだろう。
初めて出会った日に戻りたい
そう思うのは何度目になるだろうか。





お昼休みのチャイムが鳴り響くと共に
わたしは毎日のように屋上へ向かう
彼に邪魔されに行くために。

わざわざ足を運ぶ。






ギギ…っと重たく少し冷たい扉を押すと
都会の景色と青空が広がり、風がひと吹きする。
フェンス越しに見る景色は
季節によって色を変え、形を変え
たまに見た事もないような世界を見せてくれる。



やっぱり気持ちいいなー
なんて思ってると、後ろから



『…んだよ、Aかよ…』
俺寝るからそこどけよ
と手であっち行けという合図をしながら
いつもの位置で
バタン、と転がるように寝転ぶ。





開口1番それかよ。
嫌なやつ。

何を見てる?→←神様なんていない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
設定タグ:東リべ , 佐野万次郎 , 東京リベンジャーズ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミリカ(プロフ) - ゴリラの娘ですさん» うわー🥺嬉しいです!ありがとうございます♡もうすぐ終わる予定なので、楽しみにお待ちくだされ😭🙏 (2021年10月24日 22時) (レス) id: 74af4c8036 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラの娘です - ゑ、めっちゃ好きです。更新頑張ってください(*- -)(*_ _)ペコリ。 (2021年10月24日 21時) (レス) @page16 id: dfc5bee49e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミリカ | 作成日時:2021年10月22日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。