好きというのは ページ12
Aを部屋に連れ込んでみたものの、肝心の武道が来る気配は無い。
足元でじゃれつくペケJを『よしよし、おいで!』っと抱き上げると『かわいいねぇ…お前は』なんてAは頭をなでなでとしている。
日当たりのあまり良くないこの部屋は、夕方になると少し冷え込み、1人でいる時は布団にくるまって過ごす事が殆どだった。
カチカチと音のするヒーターを入れ「その辺に適当に座って下さい」と声をかけると、Aさんは『んー』って言いながらペケJを抱え、俺のベッドに座る。
ポンポンっと隣に座れ、というジェスチャーをしてからAさんは、ベッドの上に2人きり…などとと考えてしまう俺に『千冬…これ見て』と携帯に映る1枚の写真を見せてくる。
「場地さんと…一虎君っスか?」
首に虎のタトゥーの入ったその人が、どこかの路地で場地さんと何かを喋っている様子の写真だった。
『そう。出てきてるみたいだね…一虎』
膝でゴロゴロと喉を鳴らすペケJを撫でながら、Aさんはそう呟く。
タカちゃんもドラケンも知らないと思う。
多分マイキーも…。
こっそり会ってるって事は、知ってるのは圭ちゃんだけだと思う。
多分一虎はもう芭流覇羅にいて、そっちに引きずり込もうとしてるんじゃないかな?
東卍とはいずれぶつかる事になる。
そしたらきっとマイキーは、今度こそ圭ちゃんを許さないと思う。
バタンと後ろに倒れ込み『どーするかぁ…』と思ってた以上の展開にお手上げの様子のAに、軽々しく「何とかなりますよ」とは言えなかった。
「場地さんの事、好きなんスね」
という千冬の言葉をどう受け止めたのは分からないが、Aは『うん、大好きだよ』と照れる様子もなく、当然のように好きだ、と口にする。
恋愛感情込みの好きなのか、ただ大事な仲間としての好きなのか、そういう事が聞きたかったんだよ…と、千冬は聞き方を失敗した事に後悔した。
ベッドの上でひっくり返りながら、んー…と悩ましげな顔をするAさんは『千冬はさぁ、圭ちゃんの事許せる?』と、よく分からない質問をしてくる。
『壱番隊も大好きな千冬も置いて、何も言わないで出てっちゃった圭ちゃんを許せる?』
好きだからこそ許せない。
東卍を守る為に1人で動くなんて約束と違う___。
その言葉に違和感を感じて、Aの質問には答えず千冬は逆に問いかけた。
「約束って何の事っスか?」
と。
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ミリカ(プロフ) - 朋香さん» ありがとうございます😭励みになりますありがたやー🙏更新頑張りますね! (2021年11月27日 19時) (レス) id: 364a550d38 (このIDを非表示/違反報告)
朋香 - 自分が東卍設立メンバーだなんて、、、頭が、、、 マイキーと場地さんと幼馴染とかメッチャ嬉しいです!!!これからも宜しくお願いします(^人^) (2021年11月27日 19時) (レス) id: ce2e19e94e (このIDを非表示/違反報告)
ミリカ(プロフ) - あらやだ😭🙏ご指摘ありがとうございました!! (2021年11月23日 23時) (レス) id: 364a550d38 (このIDを非表示/違反報告)
ぬる - オリジナルフラグついてますよ!(ボソッ (2021年11月23日 22時) (レス) @page1 id: 0bdfc834c6 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.@colorful 8?◎(プロフ) - おり、じなるふ、らぐ、立ってますよ (2021年11月23日 21時) (レス) id: 6bc5efe30d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミリカ | 作成日時:2021年11月23日 8時