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裕太と一緒に実家から戻り、駅前のファミレスでご飯を食べながらお酒も少し飲んでいたらすっかり遅くなってしまった。
「……太輔？」
お母さんに持たせてもらったスイカを運んでくれている裕太と連れ立ってマンションに入ると、ロビーに知っている背中が見えて名前を呼んだ。
「誰ですか？」
裕太が私を制するようにしてそう言うと、太輔は裕太の質問には答えずに私の方を見ながら笑う。
「電話出ないから、勝手に来ちゃった」
「ごめん、着信全然気づかなくて、」
「ううん。今日は、帰った方がいいね」
「…ごめんね」
「こちらこそ急に来たりしてごめんね。また連絡する」
そう言って一瞬のうちに太輔が行ってしまうと、裕太が何も言わないから私も黙ったまま二人でエレベーターに乗り、玄関の鍵を開ける。
靴を脱いで部屋に入ると、裕太が苛ついたように言った。
「なにあいつ？誰？」
「友達だよ」
「…こんな夜中にいきなり来るってさ、どういう関係？」
「裕太には関係ない関係」
適当にそう言ってから、洗面所で手を洗ってリビングに戻りソファに座っている裕太に「なんか飲むー？」と声をかける。
いらない、と聞こえるから、自分の分だけグラスを持って行く。
「付き合ってたの？」
「…付き合ってないよ。」
裕太の隣に座るなり、次に聞こえた言葉に思わず飲んでいた炭酸水を少し口からこぼしてしまう。
「付き合ってないのに“そういうこと”してたってこと？」
あまりにもはっきりと言うから、濡れた口元を手で拭いながらつい笑ってしまった。
「…ゆうくんいきなりどうしたの、」
口元に当てた手をそっと掴まれて、そらしていたのを向けられるように至近距離で裕太と視線がぶつかる。
「都合の良い時だけゆうくんって呼ぶの、やめてくれる？」
裕太の真剣な眼差しに、身体が強張る。
「…もう、俺達子供じゃないんだからさ」
ばさり、といとも簡単にソファの上で身体が後ろに倒されて、一瞬のことにもう片方の手に持っていたグラスが床のラグの上にころんと転がり落ちた。
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EM(プロフ) - mgさん» そうだったんですね、嬉しすぎます…！励みになります、ありがとうございます。 (2021年9月19日 2時) (
レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 私が初めて登録した、お気に入り作者さんはEMさんなんです。また新作を読む事ができて、うれしいです! (2021年9月5日 20時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
EM(プロフ) - mgさん» またmgさんに読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年9月5日 3時) (レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 新作、嬉しいです。これから、とっても楽しみです。がんばってください! (2021年9月4日 5時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：EM | 作成日時：2021年9月3日 20時
