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「ゆうくん!大変大変!!」
ダダダダダ、と階段を駆け上がってくる音がしたかと思えば、バン!と勢い良くドアが開けられる。
「…っなんだよ、てかそれやめろって言っただろ」
「なんで?玉森家はみんな“ゆう”って呼んでるじゃん」
「Aは家族じゃないでしょ」
「家族みたいなもんでしょっ」
「他人だよ。た・に・ん!」
幼なじみ、といえば聞こえがいいかもしれないけどただ単に家が隣同士というだけで、Aの家と俺んちは昔から家族同然の付き合いだった。
俺もAも大学に入るのと同時に都内で一人暮らしを始めて、実家まで一時間程しか離れていないからお互いよく帰ってはいたけど、Aとまた一緒に過ごすことが増えたのは、社会人になってAが俺の住んでいるマンションの近くに引っ越してきてからだった。
最近は週末とか連休とか、地元に帰る時にはAも一緒で、別に誘ってもいないのに勝手に俺についてくる。
そう言うとAは、違うもん、って怒るけど。
「…で、大変って何が?」
「北山先輩に会ったの!帰って来てるとは聞いてたけど、向こうで働いてると思ってたから…。先輩も連休中に帰ってきてたみたい、運命かも…」
一体何かと思えばそんなことかよ…、そう項垂れながら、嫌でもあの頃のことを思い出してしまう。
「……ミツ、元気だった?」
いつもの如く勝手に俺のベッドの上に寝そべりながらAが答える。
「やっぱり優しかった。もちろん私のことなんて覚えてなかったけど、」
ちらり、とAの横顔を見ると、まっすぐに天井をみつめていた。
「……哀しい目、してた。」
そう呟くと、両腕をクロスさせるようにして目の上に置く。
「っなんで…もう、Aが泣くんだよ」
いつもだったら「 泣いてない!」とか喚くのに今日は何も言わないから、どうすればいいのかわからなくて調子が狂う。
「…北山先輩ね、“ 誰だっけ?”って言ったんだよ、ひどくない…?」
泣いてたかと思えば、まだ目を覆ったままそう言って笑う。
「裕太のことは…覚えてたのにさぁ」
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EM(プロフ) - mgさん» そうだったんですね、嬉しすぎます…!励みになります、ありがとうございます。 (2021年9月19日 2時) (レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 私が初めて登録した、お気に入り作者さんはEMさんなんです。また新作を読む事ができて、うれしいです! (2021年9月5日 20時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
EM(プロフ) - mgさん» またmgさんに読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます! (2021年9月5日 3時) (レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 新作、嬉しいです。これから、とっても楽しみです。がんばってください! (2021年9月4日 5時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EM | 作成日時:2021年9月3日 20時