Y ページ29
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“ 今度ごはん行きましょう!”
可愛いにこにこマークまでついていて、あきらかに女の子の文字で電話番号が書かれた紙切れを睨みながら腕を組む。
「…よこーさん?」
いつのまにか洗面所から戻って来ていたミツの声が背中に聞こえて、すぐに紙切れを棚の上に戻した。
「…なんか鍋、ぐつぐつ言ってっけど」
「あ!」
寝室を出てキッチンに戻り、慌ててコンロの火を消した。
土鍋から溢れそうになっていたお粥の味見をして「ミツー?食べれるー?」と寝室まで聞こえるように大きい声を出す。
返事が聞こえないから、またベッドに戻ったな、そう思いながらお粥をお茶碗に盛り付けた。
「…ミツ、起きて。少しでもいいから、食べないと」
軽く肩を揺らすとミツはのろのろと身体を起こし、髪に寝癖をつけたままじとりと俺の顔をみつめる。
「何?食べさせてほしいの?」
「…自分で食えるわ」
わざと意地悪く笑いながら言った俺に、ミツが不機嫌に返しながらスプーンを取ってお粥を口に運ぶ。
「デザートもあるからね」
ベッドの上で、まだ眠そうな顔をしながら渋々手と口を動かすミツにそう言ってキッチンに戻った。
食器を洗いながら、そういえば最後にここに来た時から三週間以上経ってるな…、そう思って、それが最長記録だということに気がつく。
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EM(プロフ) - mgさん» そうだったんですね、嬉しすぎます…!励みになります、ありがとうございます。 (2021年9月19日 2時) (レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 私が初めて登録した、お気に入り作者さんはEMさんなんです。また新作を読む事ができて、うれしいです! (2021年9月5日 20時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
EM(プロフ) - mgさん» またmgさんに読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます! (2021年9月5日 3時) (レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 新作、嬉しいです。これから、とっても楽しみです。がんばってください! (2021年9月4日 5時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EM | 作成日時:2021年9月3日 20時