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「…あれって、ゆうくん…じゃなかった、裕太の幼なじみの子だよね?」
「え!?なんでミツもいんの?!」
衣月の隣に立って窓から覗くと、屋上の地面に並んで座り込んでいるAとミツの後ろ姿が見えた。
「めずらしいね、ここに来るのは不良生徒ばっかなのに。何か…嫌なことでもあったのかな?」
嫌なこと…は、図星かも、ってバツが悪くなりながら「だったら衣月だって不良ってことじゃん」って、思ってもないことを言ってみる。
「私は不良のミツを迎えにきたの。あ!また早弁してるー、もー…」
パンを頬張るミツの横顔が見えて、それからミツがもう半分のパンをAに渡す。
「え、なに仲良さそうにしちゃってんの!?」
思わず心の声が口から出てしまうと、衣月が声を出して笑った。
「ゆうくんかわいいなぁ」
顔をくしゃくしゃにして笑う衣月に、恥ずかしくなって「うるさいなぁっ」とつい言ってしまう。
「幼なじみかぁー…いいなあ。これからもずっと、一緒にいるんだろうね」
ミツ達の方をみつめながら、俺とAのことなのにどこか寂しげに言った衣月の横顔は、相変わらず、息を呑むほどに綺麗だった。
どれだけ小さい頃から見ていたって、馬鹿みたいだけどそれには慣れることができなかった。
ゆうくん、って、そう呼ばれることには慣れていたはずなのに、それにもいつからか胸に何かがつかえるみたいな感覚をおぼえるようになっていた。
「……ほら、ミツ呼んできなよ。衣月先輩?」
衣月の肩をポンと叩くと「ゆうくんに先輩って呼ばれると、やっぱり変だね」って、少し大人びた表情で笑った。
「ミツー?やっぱりここにいたっ」
ドアを開けてミツの名前を呼ぶ衣月先輩の声を聞きながら、背を向けて階段を降りる一歩を踏み出した。
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EM(プロフ) - mgさん» そうだったんですね、嬉しすぎます…!励みになります、ありがとうございます。 (2021年9月19日 2時) (レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 私が初めて登録した、お気に入り作者さんはEMさんなんです。また新作を読む事ができて、うれしいです! (2021年9月5日 20時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
EM(プロフ) - mgさん» またmgさんに読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます! (2021年9月5日 3時) (レス) id: 3db90ced5d (このIDを非表示/違反報告)
mg(プロフ) - 新作、嬉しいです。これから、とっても楽しみです。がんばってください! (2021年9月4日 5時) (レス) id: 4c5f83450d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:EM | 作成日時:2021年9月3日 20時