Flamingo -2- (ページ44)

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「A、まだやってたの？」

閉店後、他の従業員が帰った後にキッチンの掃除をしていると、事務室にいた太輔が様子を見に来る。

「…うん。大掃除、少しずつやれば良かったんだけど、だめだね、なかなかできなくて結局ギリギリになっちゃった。」

気分の問題だけれど、年が明ける前にやってしまいたかった。

もう少し計画的にするべきだったな、と反省する。

「全然手伝えなくてごめん…、来年はちゃんと計画立てて一緒にやろうね。」

太輔が隣に立って、触れない距離で笑いかける。

「…そうだね。玉ちゃんにも手伝わせよう」

ふふふ、と笑いながら、来年、太輔とまたこうしていられるのかもしれない少し先の、それでも遠くに感じてしまえるような未来を想った。

少しみつめあってから微笑むと、太輔が思い出したようにポットを手に取る。

「コーヒー飲む？…あ、眠れなくなっちゃうかな」

「うん、お茶にしとく。私淹れるよ。太輔はコーヒーがいい？」

太輔からポットを取り上げて、水を注ぐ。

「…うん。少し仕事持って帰るから」
「今日くらい、ゆっくりすればいいのに」

コンロの火をつけると「俺がやるから。Aは向こうで手洗っておいで」と太輔に無理矢理キッチンから追い出されてしまう。

化粧室で手を洗い、鏡を覗くとアップにしていた髪型が少し崩れているから直そうとしたけれど上手くいかずに諦めて、髪を下ろしたまま、キッチンに戻った。

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