【ベイブレードバースト 】狂ってしまった時計 the 2nd day【短編集】

11時…自分が悔しい ページ11

太陽が沈みかけて空が鬱金色に輝いている。

そんな中道を歩いていた時。

二人組の同い年くらいの男子がゲームをしているのが見えた。

そして片方の男子が勝ち誇った様に笑みを浮かべ、もう一人の男子が悔しそうに歯を食いしばっている。

それを見て何故か胸が痛くなった。


『悔しい』


最近よく感じる情。

初めの頃はある特定の人物にしか感じていなかったけど最近じゃ自分に感じるようなった。

そのある特定の人物というのがこの感情の原因のA。

そしてワイの惚れた女。

一目惚れって言うんやろか、まぁそんな感じでワイはAを好きになった。

だけどワイは正直自分の行動に自信が持てなくて何も出来ておらん。

Aに惚れなきゃワイは今頃こんな想いしなくても良かった筈。


『後悔しとる悔しい』


出会ったのは半年以上前なんに何もしてない。

そんでもってワイは未だにAに自分の意思を伝えられてへん。

友達未満の可能性もあるし、あまり会話を交える程でもないから。


『こんな自分が悔しい』


我ながらワイらしゅうないなぁと思いつつも
関係を発展させれてない。

ある一人のクラスメイトが言ってきた事があった。

"Aさんに話がある"から席を外してくれって。

そんな遠回しに言わんでも誰でも察するわ、
何て軽口を叩いてその場を去ってしまった。

正直その後は吐いた。

幸いなことにAはソイツをフッてくれたらしいけどワイはその日の放課後一人で吐いた。

自分を責めたし苦しかったわ。


『切り捨ててくれないAが悔しい』


今思えばあの時のクラスメイトは凄いなぁ。

勇気を振り絞って告白してきたんやから。

ワイには無理なことをこなしてしまう。

フられたクラスメイトの勇気に嫉妬する。


『その勇気が悔しい』


考えていく内に視界が暗くなっていく気がした。

最早悔しいっちゅう感情と一生を共にする気がしてしょうがない。


Aに意思を伝えて嫌われるのが怖い。

行動を起こして後悔するのが怖い。

その後泣くのが怖い。


後悔したくないから石橋を叩く。

けどワイはその石橋を壊す。

嫌われるくらいなら今の距離で良いと思うのに。

好かれたいとも思うワイはワガママなんやろか。

だんだん自分が分からなくなってくる。




「ワイは臆病。」

分かった頃には辺りが暗くなっていたのが悔しい。



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大丈夫、無害なだけの立派なヤンデレの一つです(

12時…守りたいだけ→←10時…大好き

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