【ntj】krna. ページ44
おやすみを言う話。
『月は綺麗ですかノアさん』
「そりゃあもう、雲一つない満月ですよAさん」
『それはノアさんなりのあいらぶゆーですか?』
「お前さては元気だな?」
『まさか。今目瞑れって言われたら2秒で落ちる自信しかありません』
「馬鹿、寝るなよ絶対」
我が軍は、敵軍の各拠点と本拠地を制圧するべく4部隊に別れて行動をしていた。
私が所属する部隊の隊長がクロノアさんでありその補佐を任されている為常に行動を共にし遂にはこの拠点を制圧することに成功したのだ。
そこで終われば各隊に報告を入れ近くの隊の応援に向かう手筈だったのであるが、そう容易くはハッピーエンドにはならなかった。
敵軍の幹部を捕虜にしようと近付いた瞬間、キンッ、とまるで上物のオイルライターの蓋を開けた時の様な音が耳に届き次いで隊長の「逃げろ!!!!」という今まで聞いた事のない様な怒号と「我が国に栄光あれ!!!!」という狂気を滲ませた笑い声が同時に届いた。
くるりと背を向け走り出した私と早く!と焦燥に表情を歪ませていた隊長を爆風が吹き飛ばす。
隊長は仰向けに倒れた体を起こし、うつ伏せに倒れたまま気絶している私をなんとか抱え外に連れ出すと身を隠せそうな場所を見つけ私を上に乗せ抱き抱える様にして息を潜め今の状態に至るらしい。
私が目を覚ましてからどのくらい経ったっけ?冷たい風は肌に刺さるし各拠点及び本拠地を制圧出来たとの連絡が入ったので早く迎えに来て欲しいものだが、救助を要請すると一番近場にいるトラゾーさんでも夜明けになるとの返答。
この時期の夜明けはすこぶる遅いし今が何時かも確認出来ない、もしかしてあと2、3時間はこの状態?
いやむりむり、さすがに無理。寧ろしぶとい方でしょ私。
『さむい、ノアさん』
「寒がりには堪えるよな」
『僭越ながら抱き締め返してもいいですか?』
「隊長で暖を取ろうだなんていい度胸してるじゃないか」
『ノアさんだって私で暖取ってんじゃん』
「バレたか」
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える。(プロフ) - すいみん。さん» こんばんは、える。と申します。すいみん。様の感情を揺さぶる事が出来て、更にはだいすきと言って頂けて感無量でございます。こちらこそありがとうございます!良ければこれからも見守って頂けたら幸いです、コメントありがとうございました! (12月1日 22時) (レス) id: 984bd7bc35 (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - ドチャクソに大大大好きです。最新話、号泣しました。この小説のコンセプトが好きすぎます……素敵なお話をありがとうございました……😭🙏 (12月1日 14時) (レス) id: f12e90341c (このIDを非表示/違反報告)
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