恵くん！お父さんをください！

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。恵


こいつがなにかしでかさないように着いてきたはいいけど、普通に考えて俺が教えるべきじゃなかったよな。
でもまぁ、多少は気持ち分からなくもない。


好きな人がほかの女といたら嫉妬するに決まってるし、こいつはそれだけなんだろうな。ただ一筋に親父が大好きでたまらないんだろうな。


なんて、考えている間に1人目の家に着く。





「あら、可愛い子達。何か用？」


『どうも！甚爾さんはいらっしゃいますか？』


「今日は来てないわよ？あら、もしかして甚爾くんに捨てられた子？」


『捨てたれたとは？』


「ほら、甚爾くん飽きること多いから捨てられる女も多いの。たまに逆上して知ってる女のところ来る子も数人いるしね」



女はこれが普通なのか？



『いえ！捨てられてないです！私の一方通行の恋なので！でも絶対、甚爾さんを惚れさせてみせるんです！』


「ふふ、可愛らしい子。私、嫌いじゃないわよ。そういう子。でも本当に今日は来てないの」


『そうですか...ありがとうございます！では！お姉さん、寒いので上着てくださいね！』



そう言って1件目は何事もなく無事に終わった。
でも意外だった。



「なぁ、ムカついたりとかしねぇのか？」


『んー、そりゃぁ嫉妬するけど甚爾さんが選んだ女の人達だし、さっきの人はいい人だったから。私だって極力人を殴りたくない』


「意外だった。次は、ここからすぐ近くのアパートだ」


『次こそいるかな？！』


「さーな」

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