【3-5】 偶然の産物。2 ページ16
空は既に真っ暗になっている
時計を見ると、もう20時を過ぎていた
「はぁ、とりあえずパン食べよーっと…」
一人きりの寂しさを紛らわすように声を出す
がさがさと袋を漁り、フランスパンを取り出す
少しだけあったかいパンにかぶりついていると、うしろから声をかけられる
「…ねえ、何してるの?」
落ち着いた男の子の声…かな?
残念ながらショタではなさそうだ
私はパンにかぶりついたまま、うしろを振り向く
…黒い髪に黒い瞳、整い過ぎている顔立ち
黒い学ランにはしっかりと「風紀」の二文字が入った腕章が付けられている
ひ、雲雀さんだー
内心かなーりびっくり
普通こういうのは学校内で出会うものじゃないかな?
それでバトる展開じゃない?
…いや、バトりたくはないですけど。私弱いからね、100%負けるからねー…
私は口の中のパンを飲み込むと、雲雀さんの問いに答える
「…パンを、食べています」
「………そう」
「……………」
沈黙。
無口なのは知ってたけど、会話が無いのは私的には辛い
だけど会話の始め方なんて数年引きこもってた私にはわかる筈もなく。
暫く沈黙が続いた
・
・
「…ねぇ」
「は、はいー…?」
先に口を開いたのは雲雀さんの方
「…深夜徘徊?補導するよ?」
「ち、違うよー…です。まだ20時ですよ?」
私はそう言って胸元の時計を雲雀さんの目の前に持ち上げる
それにしても変な敬語使っちゃったなぁー…
あれ、けど雲雀さんて同い年なんだっけ?
中学3年生だしー…
だけどずっと中3だよね、この人
…実年齢が謎。
頭の中でそんなことを悶々と考えていると、雲雀さんがもう一度口を開く
「…じゃあ、迷子?」
「うぐっ」
容赦のない声が私を襲う
もうちょっとオブラードに包んで欲しかったなぁ…
迷子をはっきり指摘されるのって結構辛い。
【3-6】 人の言葉を鵜呑みにしては駄目→←【3-4】 誰だって不安になるよ。
56人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桐枝(プロフ) - 続き読みたいですー! (2016年10月5日 5時) (レス) id: a0cd7a23ee (このIDを非表示/違反報告)
みかみー - すごく面白いです!!雲雀さんめっちゃイケメンですね!!更新頑張ってください。では(^-^)/ (2015年8月2日 0時) (レス) id: 6b02af50b9 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - この作品すっごく面白いです!ワクワクしながら読んでました!!頑張ってください! (2014年12月18日 10時) (レス) id: 35b0fc40af (このIDを非表示/違反報告)
優亜(プロフ) - 更新頑張ってください!楽しみです! (2014年8月21日 13時) (レス) id: 7cb1d6c2e0 (このIDを非表示/違反報告)
エマ@105(プロフ) - 紀音さん» ありがとうございます! 更新遅くなるかもしれませんが、頑張って書くので!! (2014年8月10日 18時) (レス) id: 21148221f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:エマ@105 | 作成日時:2014年7月13日 18時