ストー“キング” · スリザリン (ページ3)

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side:Potter

「やっと見つけたよォ……ビルくんっっっ」

彼女はその言葉と共に僕たちの前に姿を表した。輝くシルバーの絹のような髪。アメジストのように煌めいたすみれ色の瞳。思わずため息をついてしまうような美貌。周りの人も皆が彼女に視線が釘付けだった。もちろん僕も。

「ビルくん？僕の兄さんのことか？」
「はぁ？アンタ誰？アンタには用ないんだけどぉ？」
「貴女、思い出したわ！スリザリンのお姫様でしょう。ハッとするほど美しい女の子がスリザリンに入寮したって噂になってるわ」
「私が美しいなんて当たり前のことわざわざ言わないでくれる？言われなくても知ってるから。まあ確かにお姫様は柄じゃないけどさぁ？」

やれやれ、とでも言うように首を振る彼女。スリザリンのお姫様。確かに緑色のネクタイをしている。お姫様と言われるだけの美しさも兼ね備えているなと思った。そして何より、僕たちとここまで話せるスリザリン生がいたのだと少し感動した。仕方がない、今まで話の通じるスリザリン生に会った事がなかったのだから。

「というか、そこ、どいてくれる？私はビルくんのとこにいきたいのぉっ」
「ビルくんって誰だよ。そんな名前のやつ、グリフィンドールにはいないぜ」
「アンタたちがビルくんの事を認識する必要ないでしょ？ほら、早く散った散った。ビルくん〜？愛しのミラが会いに来たよぉ〜！ほら、早く観念して出てきなよねぇ〜？？」

ニコニコと嬉しそうに、だけどどこか不気味な笑顔で誰かに呼びかける彼女。誰を呼んでいるんだ、と振り返ろうとした。その時だった。

「ミッ、ミラ……！！」

ビルくん──基、ネビル·ロングボトムが現れたのは。