そばにいさせて～changmin～ (ページ27)

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ライブ会場ページ27

『Aさん！』

『三橋さん！すみません、お忙しいのにお邪魔してしまって…』

『いえ、こちらがお呼び立てしたんですから！』

こちらですと、中へ案内される。

Aの首には、ALL PASS と書かれた札が掛かっている。

篠崎との会話の後、三橋へ連絡をした。

ツアー中の彼らは忙しく、やはり新たな撮影の時間を作ることは難しいとの返答だった。

申し訳ない、こちらこそ無理を言って申し訳ない、いやせっかくまた機会をいただいたのに、と謝りあうことに2人で笑ってしまった。

結局、前回の写真の中から何枚かピックアップし、それを使って特典を考えようという話になった。

彼ら同様に忙しく、身動きが取れない三橋と打ち合わせをするため、今日Aは東方神起のライブ会場へ来たのだ。

『バタバタしていてすみません。』

ライブの準備に追われる会場内には大きな声が飛び交い、スタッフがあちらこちらを走り回っている。

『いえ！私たちもいつもこんな感じですよ。それにこの雰囲気…良いものを作ろうっていう一体感。私、大好きです。』

撮影の時に感じたスタジオの雰囲気を思い出し、三橋は納得したように頷いた。

案内された部屋に入ると、先ほどまでの騒がしさが嘘のように静かだ。

早速、ユノの写真から確認していく。

広告とはまた違った雰囲気がいいですよね、初回と今回の特典の両方を手にされる方もきっと多いですからね、などと話しながら、膨大な写真を見ていく。

どの写真もユノの魅力が溢れていて、選ぶのに時間がかかる。

やっとの思いで5枚に絞り、さぁ次はチャンミンだと思った時、三橋の携帯が鳴った。

どうやら、2人が会場に着いたようだ。

『Aさん、すみません。一旦、向こうの控え室に行ってきます。』

もし良ければ2人にも会いませんか？という三橋の申し出に、大事なステージの前ですからと遠慮する。

2人を思うAに笑顔を向け、三橋は部屋を出て行った。

時計を見ると、会場に着いてからもう一時間が経とうとしている。

んー！と伸びをして、Aは飲み物でも買おうと廊下に出る。

三橋が、場所を教えてくれたのだ。

『えーっと…』

歩き出すと、頭の中で描いていた場所がどこだったか、すぐにわからなくなってしまった。

『もーだから方向音痴ってイヤ…』

ひとり言を言いながら、迷路のような会場をさまよう。

『何してるんですか？』

警戒するような声に振り向くと、派手な髪色の女性が立っていた。