そばにいさせて～changmin～ (ページ28)

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チャンス～changmin～ページ28

ライブ会場に着くと、いつも迎えてくれるはずのマネージャーがいない。

『ヒョン、ついたよ？』

ユノが電話すると、控え室に行っててくれと言われた。

スタッフと挨拶を交わしながら控え室へ向かう。

準備しているこの慌ただしさや、大きな音、雰囲気、一体感。

何度感じてもいい。

あーライブができるんだと、チャンミンはわくわくする。

控え室につき、荷物を整理しているとマネージャーが入ってくる。

『お疲れ。調子は大丈夫か？』

マネージャーはいつもこう聞いてくれる。

2人が何かあっても、自分たちから弱音を吐かないと知っているからだ。

絶好調！と答えるユノに続き、チャンミンも大丈夫と答える。

『いつもの場所に飲み物あるからな。それから今Aさんがき…』

そう言いかけたところで、マネージャーの携帯が鳴る。

ディスプレイを見るなり、はぁーこれ長くなるぞ…とため息をつきながら廊下へ出て行った。

チャンミンは、Aさんという言葉が気になってしょうがなかった。

え？Aさん！？Aさんがなに！？

すぐにでもマネージャーを追いかけて、電話よりも先にその答えを知りたい！

ユノはどうかと振り返れば、イヤホンでご機嫌に音楽を聴いている。

ダメだ…聞こえてない…

マネージャーを待つ時間がもどかしく、チャンミンは控え室を出た。

いつもの場所に用意された飲み物を取りに行く。

ライブの時はいつも、何種類もの飲み物を用意してくれる。

喉にいい飲み物はもちろん、スポーツドリンクや炭酸、コーヒー、お茶、スープまで、スタッフも自由に飲めるようになっている。

ここまで入ってこれるスタッフは、ALL PASSを持っている人だけだ。

それはとても限られている。

だからこそ安心して、飲み物も口にできる。

部屋に近付くと、女性の声が聞こえてくる。

『見たことない女でさー。1階でキョロキョロしてるからファンが入り込んだのかと思っちゃった。』

『えー！それこわーい！で、大丈夫だったの？』

『それが！ALL PASS持ってたの。ここで打ち合わせらしくて、三橋さんにもらったんだって。』

『えー？なんの打ち合わせ？』

『最近発売された化粧品でさー…』

そこまで聞くと、チャンミンは勢いよく走り始めた。

Aさんだ！

Aさんがこの会場の中にいる！

まさかもう一度会えるなんて…

神さまがくれたチャンスだ！

Aへの想いが、チャンミンの中でまた強くなった。