そばにいさせて～changmin～ (ページ20)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:279,053 hit

ぼくを呼んでページ20

『えっ！これを着るの！？』

スタイリストが持ってきたのはナイトウェアだ。

『そうですよー。普段着だったらおかしくないですか？これから寝るっていう時に。』

当たり前のように言い放つユイは、これチャンミンさんとお揃いですかねーかわいいー♪と楽しそうだ。

『いや、でも…手しか映らないんだし…』

『ほら！雰囲気って大切じゃないですか♪』

さっきと同じ言葉が、また返ってくる。

『…あ！サイズ！サイズが合わな…』

Aさんサイズに直しておきましたと、スタイリストが笑顔で答える。

なんとか着なくて済む方法はないかと言い訳を考えていたが、その仕事の速さに、さすがうちのスタッフだわとむしろ感心してしまった。

2人に急かされしぶしぶ着てみると、言われた通りサイズはぴったりだった。

上質なシルクの着心地は滑らかで、チャンミンとは同じシリーズだが、少しデザインが違うらしい。

Aが着ているものは首元がひろく、胸元が深めに開いている。

それが鎖骨の美しさを際立たせ、胸元の丸みに綺麗に寄り添い、女性らしい、Aの体の柔らかさを引き立てていた。

ゆったりしたパンツも、シルエットがとても綺麗だ。

『うわぁ！素敵！すっごく似合ってます！』

勝負用に買い取ったらどうですか？と冗談を言うユイに、緊張も少しずつほどけていった。

『Aさんの準備、完了しましたー！』

ユイの元気な声に続いてスタジオに入ると、おぉー！と言う声に包まれる。

Aさんのパジャマ姿…
うわー…やべー…

手を止めたたくさんの視線が集まる中、

『馬子にも衣装ってやつか…』

とからかってくる西野を、もう！と笑いながら睨む。

最終確認しとけよー！と響く指示に、またスタジオが騒がしく動き出す。

打ち合わせしてこいと送り出された先には、ベットの端に座るチャンミンがいた。

真剣な眼差しで、こちらを見ている。

一歩一歩、ゆっくりと、チャンミンに近付く。

逸らされることのない視線にドキドキする。

触れ合える距離まで来ても、じっと見つめてくるだけだ。

『あの……』

Aが不安そうな顔をすると

『Aさん、だいじょうぶです。ぼくにまかせて。』

と、チャンミンが優しく話しかけた。

『ぼくだけを見て。』

そして

『ぼくを呼んで？』

よし、撮影始めるぞ！という西野の声を合図に、スタジオの空気が変わった。