ぼくを呼んで〜changmin〜 ページ21
『ぼくの手をとって、そばにいさせてください。』
気づいたら、そう言っていた。
撮影した写真はいい出来だったと思う。
でも、まだ何かできることがあるはず。
直感でそう感じた。
もっともっといい作品にしたい。
Aさんと一緒に最高のものを作りたい。
そう考えたら、あの言葉が自然と出てきた。
Aさんが手をとってくれたら、ぼくはもっと素直な表情になれる。
Aさんがそばにいてくれたら、ぼくは目の前の愛しい人を見つめる、1人の男になれる。
この作品には、きっとそれが必要だ。
Aさんには内緒だが、流れに任せて、手以外が写ってもいいと許可をもらった。
監督もわたるヒョンもマネヒョンも、思うようにやってみろと背中を押してくれた。
ヘアメイクさんとスタイリストさんにもお願いして、そうなってもいいように準備してもらった。
そして、ナイトウェアに身を包んだAさんを見たとき、視線をそらせなかった。
こっちに歩いてくるAさんにドキドキした。
さっきまでストレートだった髪は毛先だけゆるく巻かれ、肩の下で揺れている。
そのおかげで首元はチラリとしか見えないが、その分、胸元に目がいってしまう。
深くまで開いたそこに見える白い肌が眩しい。
シルクが体を上品に包み、女性らしいラインが美しく浮かび上がっている。
触れ合える距離まで来ると、その間近で見る姿に思わず手を伸ばしそうになる。
引き寄せたくなるのをグッと我慢して、Aさんを見つめた。
その沈黙を勘違いしたのだろう。
そんなに不安そうな顔をしないで？
大丈夫。
全部ぼくに任せて。
Aさんはただ、ぼくだけを見ていて？
そして
ぼくを呼んで？
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作者名：えむ | 作成日時：2017年11月16日 15時
