☆ ページ35
そしてその日からエリちゃん絡みでなのか
相澤先生と高宮さんが一緒にいるところをよく見かけるようになった
相澤先生も忙しそうで私とはここ最近全く喋ってないし
ホームルームや授業以外で顔を合わすことも無くなっていた
ある日の帰り
寮へ歩きながらふと校舎の方を見ると保健室が見えて…
相澤先生とエリちゃん、そして高宮さんがいた
エリちゃんの前に視線を合わせるようにしゃがむ相澤先生
その横でエリちゃんの頭を撫でる高宮さん
嬉しそうに微笑むエリちゃん
その光景はほんとに幸せそうな家族のようで
私は急にひとりぼっちになったような気がした
遠い存在のように感じた
私の居場所が高宮さんに取られてしまったような気がした
私は寮まで全力疾走で逃げるように走る
ﾊﾞﾝｯ！！
勢い良く扉を開けると既に帰っていた人達がびっくりしたように
こちらを見た
あ「ﾊｧﾊｧ……」
尾「ちょ…どうした！？」
砂「なんだよいきなり…びっくりしたじゃねぇか」
あ「ご、ごめん…笑」
常「何かあったのか？」
あ「ううん…
ほら！全力疾走したらどんだけ早く帰れるかなって思って笑」
そう言うとなんだそれと笑いながらみんなは戻っていった
その夜……
いつもの悪夢を見るが途端に場面は変わり…
目の前に相澤先生が立っていた
しかし相澤先生は私に背を向けてどんどん進んでいく
必死に呼び止めても手を伸ばしても届かず……
手を繋いだエリちゃんと高宮さんの元へ
そしてエリちゃんを真ん中に3人で手を繋いでまた進んでいく
あ「待って！相澤先生！！行かないで！！」
私の叫びにも一切振り返ることなく歩いていき
最後は私の目の前から居なくなってしまった
私の周りは真っ暗
1人にしないって言ったじゃん…
俺がいるって言ったじゃん…
なのにどうして……？
うそつき。
ﾊﾟﾁｯ ｶﾞﾊﾞｯ
あ「ﾊｯ…ﾊｧﾊｧ…夢…っ泣」
目を覚まして夢だと分かったが
リアルな光景に私は頭を抱えた
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作者名：きい | 作成日時：2022年7月16日 8時
