見覚えのある女性 ページ31
あ「よし！これでおわり
意外と早く終わったな
あとは補助監督が戻ってくるの待つだけか！」
意外と早めに呪霊も幽霊も祓い終え
私はトンネルから外に出た
任務の終わりを告げるかのように帳も上がり
あとは補助監督が戻るのを待つだけ
まぁ終わるのが早すぎたから結構待つことになりそう…
トンネルの入口のガードレールに座りスマホを弄って居ると……
ﾌﾞﾛﾛﾛ
車の音が聞こえたので私は帰ってきたと思い顔をあげた
あ「ん？でも早いな…そんな店近くにあったっけ？」
首を傾げつつ顔を上げた…が…
走ってきたのは補助監督の車ではなく
ツヤツヤの明らかに高級車であろう車
その車は私の前で止まると中から1人の女性が降りてくる
「貴方がAAさん？」
あ「え？」
その姿はどこかで見覚えのある女性で思い出した私は目を見開いた
あ「！五条先生の…」
「あら知ってたの？
なら話は早いわね」
それは五条先生と原宿で一緒にいたあのお見合い相手の方で
その女性は何かをカバンから取り出し私に近づく
そして……
ﾌﾟｽﾝｯ
あ「っえ！？」
太ももにその何かを刺された
その瞬間、身体が燃えるように熱くなり私はその場に倒れ込む
「ﾌﾌ 私から五条さんを奪おうとするからよ
人気がないのが残念だけど貴方の匂いは強烈だもの
何かしら引き寄せて汚れればいいのよ
あなたみたいな子が五条さんと番になれるなんて図々しいわ」
そう言い捨てその女性は車に乗り去っていった
あ「これ…誘発剤っ…！！」
その場に捨てられた何かをみると
発情誘発剤と書かれていた
あ「あぁっ…だ…れか…電話っ…」
助けを呼ぼうとスマホを手に取るが力が入らない
早くしないとっ…
しかし…
『ｹﾗｹﾗｹﾗ』
『ｷｨｨｨ』
匂いに引き寄せられた他所の呪いたちが
私目掛けて飛んできたのだ
人気のないこの場所で襲われるなら呪いしかいない
あ「さいっあくっ！！！やめろっ…いやっ……」
ヒートになった私には能力は無いに等しい
除霊能力もなければ抵抗する力もない
襲ってくださいと言っているようなもの……
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作者名：きい | 作成日時：2022年8月7日 0時
