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寝たふり ページ11

時透 side





「……んぁ、もう朝か」




重なった障子から太陽の光が滲み出して寝室に差し込んだ。覚束無い思考のまま眩しさを感じた身体は、自然と日光を遮る為に右手を目の位置まで移動させた。




「Aは……まだ寝てるのか」




自分の腕の中で静かに寝息を立てる愛しい恋人。もう朝だし起こそうかと思ったが、昨日任務から帰ってきた時かなり疲れてたようだったのでやめる事にした。




「ふふっ、可愛い寝顔」




鬼と対峙している時の彼女の顔はまだ15歳とは思えないほど逞しくて頼りたくような表情になる。そんな彼女が僕の腕の中でだけこんな幼子の様な顔付きになるのはもう可愛いとしか言いようがない。


よく見てみればまつ毛は長くて、髪の毛もさらさらでつやつや。加えて大きくパッチリとした瞳に、何よりこの美味しそうな唇。左手でさらさら、と髪に手を通せば小さく、んっと唸る声が聞こえた。それになんだか悪戯心が心に根を張って、ちょっとしたイタズラをしてやりたくなった。




________ちゅっ、




軽く唇に触れるだけの口付け。目を開けて彼女を見てみればまだ寝たまま。




「……はぁ……口吸いしても起きないなんて、ほんと、無防備すぎ」




そんな言葉が彼女に届いてるはずもなく独り言のようにして消えていった。そしてまた、




________ちゅっ、




さっきよりも少し長めに。離す時に唇を優しく噛んで味わった。


が、それでも彼女はまだ眠ったまま。


これはもしかして、




「……ふー」

『っ、ひゃ、』

「やっぱり」

『……』

「起きてたじゃん」




耳元の口を寄せて少し強めに息を吹けばすぐに起きた。




「いつから起きてたの?」

『口吸い……した時から……』

「どっち。1回目?それとも2回目?」

『……1回目』

「なーんだ。最初から起きてたんじゃん」




ほんと、いい度胸してるねぇ、と目を合わせて言うと、バツが悪そうに目を逸らした。




「こーら、どこ向こうとしてるの」

『い、いやぁ、悪いことしちゃったなって、思ったから……』

「ほんとに悪いと思ってる?」

『う、うん』

「ふーん……」




そう明らかに目を泳がせながら彼女は言った。


ばればれすぎ。それ、ほんとに隠してるつもりなのかな。




「いいよ。じゃあ、今回だけ許してあげる。けど、」




けど?と首を傾げる彼女の腰を引き寄せて、おでこをくっつけて言った。




「もっとさせてくれたら、許してあげる」





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設定タグ:時透無一郎 , 鬼滅の刃 , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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霞桜 - 頑張って下さいね応援してますよ (2022年5月4日 0時) (レス) id: f3badad1aa (このIDを非表示/違反報告)
霞桜 - 無一郎推しです めちゃくちゃ最高ですね私は想像豊か過ぎるので余計に嬉しいです… (2022年5月4日 0時) (レス) @page16 id: f3badad1aa (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いろはさん» ありがとうございます!不定期ではありますが定期的に投稿できるよう頑張りますね! (2021年1月15日 23時) (レス) id: 2a5e6a7f23 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - これからもがんばて下さいね (2021年1月15日 22時) (レス) id: 7954c2eb45 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - むいくん甘甘で可愛い~ (2021年1月15日 22時) (レス) id: 7954c2eb45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月12日 21時

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