検索窓
今日:7 hit、昨日:15 hit、合計:310,444 hit

16 ページ16

運び込まれた病院では、事務所のスタッフが待ち構えていて、歩いて救急車から降りた俺を見ると、安心したように微笑んだ





「大変でしたね。」

「まぁ…はい。」





北山が倒れるまでは、とっても楽しい空間でした…なんて言えるわけもなく…

曖昧に返事をしていたら、後ろを北山を乗せたストレッチャーが走り去った

相変わらず、「はぁ、はぁ」と苦しそうな呼吸を繰り返している北山

その姿をじっと見送る





「病院側には連絡してますから、とりあえず診察室入って下さい。」

「はい。…あ、…北山は…?」

「これから診察して、症状が重いようなら今日は入院させます。」

「…そうですか…。」





見上げた空は、もうすっかり日が落ちていた





スタッフに連れられ、通された診察室

事務所が頼んだんだろう

血圧などの今の状態を調べる簡単な検査と一緒に、この際だからと血液検査やレントゲンまでやらされた





「特に異常はありませんね。血圧も安定しています。けれど精神的なショックもあるでしょうから、今後何か気になる症状が出たら、また診察を受けて下さい。」

「わかりました。ありがとうございました。」





閉じ込められたショックは全くと言ってなかった

そりゃそうだ

どちらかと言うと、このトラブルを喜んでたくらいなんだから





診察室を出ると、スタッフに変わってマネージャーが俺を待っていた





「異常なし、だそうです。」

「そうですか!良かった!」





医者に言われた言葉を、そのままマネージャーに伝えて、診察室を後にする

その時、マネージャーから





「北山さん、熱が高いんで、今点滴受けてますけど、入院は必要ないみたいですよ。」





そう告げられた





「これから北山さんの所に行きますけど、一緒に行かれます?」





迷った

あの告白の事…

そして不意にしてしまったキスの事…





北山は覚えているだろうか





最後は熱で朦朧としていた北山

今後の事を考えれば、出来れば覚えていないで欲しかった





でも…

もし覚えていたなら…





北山が熱に浮かされて俺に言った言葉の数々





ほんの少し…





ほんの少しの期待が胸に残る





「…行きます。」





数秒のうちに頭を駆け巡った思い

無意識にそう答えていた






.

17→←15



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
942人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2 , 藤北
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:MISA | 作成日時:2015年2月24日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。