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「お疲れ様でした。」





スタジオの外でマネージャーが微笑む





「藤ヶ谷さんは以上で終わりです。」

「はい。」

「北山さんは6階の会議室に移動して別の取材です。」

「了解。これ、衣装のままでいいの?」

「あ、大丈夫です。顔だけ写真撮るみたいなんで。」





可愛い笑顔を返して楽屋に向かう北山

俺も北山の少し後を追って楽屋へと移動する





「お疲れー。」





着替える必要のない北山は、携帯の着信をチェックすると、それを鞄に戻しさっさと楽屋を後にした





「お疲れ…。」





帰る準備をしながら北山を見送る





「はぁ…」





北山と2人の仕事は、1人の仕事やメンバーとの仕事以上に疲れてしまう





俺が…ずっと北山を追っているから…





メンバーといると気が紛れる事も、北山と2人きりだとそれがない

当然何をしていても、北山の事が気になる訳で…





いつか言われた事がある





「藤ヶ谷さんって、テレビや雑誌ではそっけないですけど、本当は北山さんの事大好きなんですね」

「え…?なんで…?」

「んふふ。さっきから藤ヶ谷さん、ずっと北山さんの事見てますよ?」

「…」





思わず絶句した

自分でも気付いていなかった無意識の行動

自分がどれだけ北山の事が好きか、気付かされてしまう





だから…



北山と二人っきりの仕事は…苦手だ





着替えを終えて、ソファに座ると、思いっきり背伸びをした





「よし、帰るか…」





今日はマネージャーの車で帰る予定

駐車場で待ってるマネージャーを待たせてはいけないと、慌てて鞄を掴み楽屋を出た





たくさんの人が交差する廊下

エレベーターの近くまで来た時、閉まりかけたエレベータが見えた

ここのエレベーターは待ち時間が長い





「あ、そのエレベーター、乗ります!!!」





大声で呼びかけながら駆け寄ると、閉まりかけたドアがゆっくりと開いた





「ありがとうございます。」





飛び込んだ箱の中



顔を上げると、そこに…





「あ…」





北山がいた






.

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作者名:MISA | 作成日時:2015年2月24日 19時

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