＃50 [花畑] ページ2
・
「ほら！行きますよ！」
ぐいっと月山さんの手をひく。
「行くって…どこへ？」
「あー！！忘れてる！」
顔を近づけて頬を膨らませる。
「はは…」と苦笑いをして、私の頭を撫でる月山さん。
この感じは本当に忘れているらしい。
「わかりました！私について来てください！」
「え……」
「絶対、方向音痴なんて言わせませんから！！」
＊
やってきたのは、さっきまで私がいた屋敷。
使用人に見つからないよう警戒して裏に向かう。
「着いた…！」
一面に広がる、色とりどりの花。
昔から変わらない景色。
これを見るために走ってきたのだ。
「綺麗だね…」
ぽつりと呟き、立ち尽くす月山さん。
「前に話したの覚えてますか？」
「……」
「ここで結婚式挙げようって」
にっこり笑う。
すると、月山さんの細い腕が私をきつく抱きしめる。
「ごめん……」
「…」
「君がこんなにも愛してくれてるとは知らずに、僕は一人で閉じこもっていたんだ…」
泣きながら、震えた声で話す。
こんな月山さんを見たのは初めてで言葉が出ない。
「…月山さん」
意を決して口を開く。
「……それは私も同じです…
月山さんに会うのが怖くて…」
あなたを傷つけたのは私だから。
守りきれなかった私は、
あなたに会う資格がないと思ったから。
「相変わらずお馬鹿さんだ……」
風に巻き上がった花びらが、
あなたの「愛してる」の一言を飾った。
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しおり - 涙が出た。感動したっ！(´;д;`) (2016年3月23日 10時) (
レス) id: fa1ded1d20 (このIDを非表示/違反報告)
月山依存症候群 - 何故か、右目から涙が止まりませんっっ！ (2015年11月26日 21時) (レス) id: 0badc80fba (このIDを非表示/違反報告)
菊零。@月山溺愛症候群(プロフ) - B L ^p^)さん» 遅くなって申し訳ありません！ありがとうございます；；シリアス苦手な奴なので、そう言って頂けてとっても嬉しいです…！ (2015年6月28日 8時) (レス) id: 33938c846b (このIDを非表示/違反報告)
B L ^p^) - 感動します… (2015年6月4日 12時) (レス) id: 8188de761a (このIDを非表示/違反報告)
菊零。@月山溺愛症候群(プロフ) - 鎖闍舞さん» お”お”お”ぉぉ…！！ナキのように泣いてくださったなんて……嬉しいです；ω；読んでくださってありがとうございました！ (2015年5月10日 12時) (レス) id: dd48e16724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊零。 | 作成日時：2015年3月21日 17時
