秋元詩郎に弱みを握られる女の子の話

6話 ページ6

『どこいくの〜？』

その声と共に、這いずっていた男性は路地裏の暗闇へと引きずられていった｡

(⁉︎連れてかれちゃう!助けないと！)

Aはその男の手を掴もうと手を伸ばすが、すでに遅かった｡

何とか立ち上がったAはあの男の人を探しに路地裏に足を進める｡

(さっきの男の人はどこに…)

Aは携帯のライトで照らしながら、進む、壁に手をやると、ぬるりとした感触

「ひっ…！？」

壁にライトを当てるとそこには血がベットリとついていた｡先程貼った絆創膏が血で滑ってとれてしまった｡

そこでAはハッと気づいた、

(警察に電話しないと…)

先程は必死で頭から警察の存在がなくなっていた｡

「あっ…あの…！警察ですか…！実はさっき…」

Aは警察との電話で気づいていなかった

先程の血塗れの男とは別の存在に


「えっと…場所は…」

場所を伝えようと息を吸った瞬間












『いらないよ警察なんて』

「…え…？」

後ろから携帯をするりと取られ電話を切る｡

振り向くとそこには派手な髪色をした男が立っていた｡

『で、君誰？さっき殺した男の彼女かなんか？場合によっては殺しちゃうかも〜そこんとこどうなの〜？』


Aは直感でわかったさっきの男の人を殺したのは、この人だと、
頬に付いた血を拭い、ニコニコとAの目を見る｡

Aは思わず後退りをするが、ここは路地裏、

少し後ろに下がっただけで背中に壁が当たる。


その行動がイラついたのか、男はAに近づき




ドンっ！とAの顔の横に思い切り手を着き、






『ねぇ…どうなのかって言ってんだけど、聞いてんの？』


「…あ…あ…違い…ます…」
男の殺気と鋭い目つきに怖くて思わず涙が溢れる、が
何とか声が出た｡


その答えに男は目を細め、顔を近づけ、Aの目をじっと見つめる｡

側から見れば恋人同士がキスする直前に見えるだろうが、そんな生易しいものではない。

『ま、こんだけ怯えてちゃ嘘はつかないか、良いよ、信じてあげる』

そう言われAはその男から離れて逃げようとするが、腕を掴まれる｡


『ちょっと待ってよ〜信じるとは言ったけど、見逃すとは言ってないけど〜？』

後ろから両手を掴まれる｡

「やっ…離して…！」

『そんな怖がんないでよ〜「まだ」何もしてないじゃん』

男が耳元で囁いてくる｡

『怯えてちゃって可愛いね〜』

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