秋元詩郎に弱みを握られる女の子の話

30話 ページ30

『そういえばさ、A昨日男の子に声掛けられてなかった？』

『あ〜、俺も見てました！先輩なんか電話番号みたいなの渡されてましたよね！』



「え、嘘二人とも見てたの？」

唯と年上の後輩である三浦に問い詰められる


『で、どうなのよそこんとこ』

『先輩受け取ったんですか?!』


「い、一応……受け取った……んで、電話番号書いてあった……」


『うわぁ〜！で？イケメンだった？年齢は？』


『俺も気になります！どうなんですか!?』



「いや、実はその…電話番号貰ったんだけど…失くしちゃって……」

『え〜！もったいない〜』

「いや、でもどのみち電話番号渡されても困るし……連絡する気はなかったって言うか……」

『な〜んだ……とうとうAも彼氏デビューしたと思ったのに〜…』

『そ、そうなんですか……………良かった……』

『ん？三浦クン今なんて言った？』

『いえ！何も！』

『ふぅ〜ん？』

唯と三浦君が何か言い合っているが、Aは二人をほったらかして仕事に戻った。















やがて、仕事が終わり店を出た時だった、1人の見知った顔に声を掛けられる。




『あ、あの！』

電話番号を渡してきた男の子だった。

『俺の事覚えてますか……？』


「あ……この前電話番号教えてくれた……」

『は、はい！あの俺…もう一回貴女に会いたくて……
……ごめんなさい……待ち伏せみたいな事してしまって……』


「あ、いやそれは別にいいんだけど、なんていうか私男の人とかあんまり興味なくて……それに貴方の事よく知らないし……」


『あ…そうなんですか……あの、今度食事とかどうですか……？』


「えっ？…う、う〜ん……考えさせてくれるかな……？」


『あの！俺本気なんです！初めて見た時綺麗な人だなって……あ…その……もしかして……もう相手がいるんですか……？』


「あ〜…そんなんじゃないけど……」

(ど…どうしよ……このまま引き下がってくれなさそう……)


「と、とにかく……！少しだけ考えさせて……？」

少し強めに言うと、


『あ……ごめんなさい……強引でしたよね……あの！
またお店来ますから……』

「う、うん……いつでも食べに来て」


諦めてくれたようで、とりあえず帰ってくれた。


『なんか大変そうだったね〜もしかしてあの子が昨日の？』

「うん……一応……てか唯いつから見てたの？』

『最初から』


「あ、そう……」

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