三話 ページ5
＿あ！夏希じゃん！おはよ〜
『うん、おはよう。』
何かミスっていなかっただろうか。
声のトーン、抑揚、スピード…何か一つでもズレてしまったらという焦りが、冷や汗となってもろに現れた。代謝がいいのは自慢だが、こう言う時だけは勘弁してほしい。
幸いにも類と同じクラスだったから、一人になる時間が少なくて済む。
もし自分のクラスに着くまでの時間一人になっていたら、俺は何をミスるかわからない。ミスってしまったらきっと、俺はもう二度と学校になんて来れない。それくらいの恐怖心と戦っている。
でも、緊張するのは最初のココだけ。何事も最初が肝心なようで、ココさえ上手くいってしまえば、この後も上手くいくようになっている。
次々と流れてくるクラスメイトと挨拶を交わす。
顔に汗をかかないだけ、まだマシかもしれない。首とか手とかはマジでやばい。これ見られたら確実に病気を疑われるくらいにはヤバいと思う。
やっとの思いで教室に入って、窓側最後列に座る。俺の席マジで神ってると思う。神様なんて信じてなかったけど、この時だけは願ったわ。そしたらマジで此処になったからさ、周りの奴の目がま〜怖くって…。
とにかく、此処の席は色々と都合がいい。暇だったら校庭で太陽の光を浴びながら体育の授業受けてるやつの顔が見れるし、たぶん寝ててもバレない。
ちなみに類は隣の席、理由？身長高すぎて前の方だと見えない奴がいるからだってさ。だから毎回後ろの列。羨ましいなクソが。
「朝からお疲れのようだね。」
『当たり前だろ、緊張するったらありゃしない。』
疲れがどっときた感じする。体が重く感じて、椅子から立ち上がらせてくれない。
…疲れてんのかなぁ、俺。
『やべ、俺今日風紀委員当番だったわ。』
「…大丈夫かい？」
自分の体を鼓舞するかのように無理矢理立ち上がった俺を心配そうに見つめた。
『んな心配しなくても、俺は
類が心配しているときは、決まってこのセリフを吐く。
この言葉で類の心配が和らいでいるわけではない。これは一種の自己暗示的なやつ。
言い聞かせて、大丈夫だって思い込みたいだけだってことを、類は見抜いている。
その目を見るのが怖くて、俺は足早に校門へと向かった。
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瑞希見守り隊 隊員 - 緑斗-りと-@??さん» コメント、応援の言葉ありがとうございます。これからも更新頑張ります。 (8月8日 7時) (
レス) @page6 id: f4d2a7af3f (このIDを非表示/違反報告)
緑斗-りと-@??(プロフ) - 瑞希さん単体の小説久し振りに見ました!!確かに、逆になれたらとか思いますよね…。お互いを羨む(？)関係好き過ぎます…!!更新頑張ってください!! (8月7日 10時) (レス) @page3 id: 69904a6c11 (このIDを非表示/違反報告)
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