_336 - hokuto side - ページ37
「 そんな…しんどい役なの？」
『 …え？』
「 そんなふうになるの見たことなかったから。」
『 ん…しんどい、かも、』
胸の奥が締め付けられるように苦しくなった。
どんな役でも平気なんだと思っていた。
簡単にスイッチを切り替えているんだと思っていた。
「 どんな役かは…聞かない方がいい？」
『 えっと…あ、流星くんとね、』
「 ……待った！…それは聞きたくない、かも。」
『……ん。』
「 俺がAの名前たくさん呼べば戻ってこれる？」
『 え？』
「 毎日、めっっっちゃ名前呼ぶ。抱き締める。Aが寝るまでずーっと、1ミリも離れないで傍に居る。」
『 …ふふっ、それは無理でしょ？』
やっと笑った彼女は、俺が知ってるAだった。
映画の撮影が始まって1ヶ月…彼女が苦しんでいたことに気付けなかった自分が不甲斐なくて。
次の日、一緒のシーンの撮影がある彼女はいつも通りだった。
『 北斗？次のシーン撮るって。』
「 あ、うん！」
昨日のことなんて忘れたみたいに振る舞う彼女。
だけど、映画の撮影が終わって家に帰ってきた日は“更紗”の目をしていて、それは10月末まで続いた。
「 お疲れ様。」
『 ……うん、ありがと。』
クランクアップして帰宅した彼女をぎゅっと抱き締める。
『 どうしたの…？』
「 ほんっとうにお疲れ様。」
『 北斗…ありがとね。』
「 え？俺は別に、、」
『 家に帰ってきたら北斗がいっぱいAって呼んでくれて…あれがなかったら私、多分ドラマの撮影もダメだったと思う。』
「 A…… 」
『 まだ…少しの間は引きずると思うんだ…？』
「 …うん。」
『 だから…その、あのね……おうちに居る時は、いっぱい名前呼んでもらってもいいですか。』
俺の服の裾をきゅっと握って、腕の中から顔を見上げる彼女の唇を優しく塞いだ。
ドラマの撮影では交わしたキスも、カメラが回っていない場所でするのは久しぶりで。
こっから先も…と早まりそうになった気持ちを抑えて、それはもうしばらくのおあずけ。
『 我慢させて…ごめん。』
「 余裕。」
それから彼女の中から“更紗”が抜けるまで、何度だって名前を呼んで、彼女が眠りにつくまで髪を撫でてやって、気付いた頃には“AA”が帰ってきた。
その数ヶ月後、流星くんとのラブシーンを聞いていなかったと拗ねて、話を聞こうとしなかったのは俺だと、、怒られたのは皆さん知っての通り。
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るる(プロフ) - リントさん» ほろ酔い彼女ちゃん書くの楽しかったです♡またいつでもリクエスト頂けたら丁寧に書くのでよろしくお願いします((((〃･ω･)ﾉ♡ (2022年4月13日 7時) (
レス) id: f19a959cc8 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - きまさん» ほくとくんがたくさん番宣出てくれて作者も幸せいっぱいの気持ちでお話を書けてます(；；)♡これからもイチャイチャさせまくります！！！！！笑 (2022年4月13日 7時) (レス) id: f19a959cc8 (このIDを非表示/違反報告)
リント(プロフ) - うわぁぁぁあ！！！！ツマミになるナントカ…かいていただき本当にありがとうございます！！表情筋デロデロで読んでましたw (2022年4月7日 20時) (レス) id: 190cc03b9e (このIDを非表示/違反報告)
きま(プロフ) - 番宣期間たくさん2人がイチャイチャしてるのを見れて嬉しいです！大変かとは思いますが、これからも楽しみにしています♡ (2022年4月4日 22時) (レス) @page31 id: f0d962c024 (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - Reeennaaaさん» なぁちゃんです！主演女優とのラブシーンを目の当たりにして嫉妬しちゃう彼女ちゃんも書きたいなぁと思って書き始めてみました(o^^o) (2022年3月23日 15時) (レス) @page14 id: f19a959cc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るる
| 作成日時：2022年3月12日 9時
