椿 (ページ2)

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大友はいつも私の変化に気付いてくれる。スカートも、香水も。それだけで自惚れちゃう。でも大友と一番近いのは私だって、そう思ってもいいでしょう？あの子よりは。

中学の頃引っ越してきた夏芽ちゃんは、どこから見ても綺麗で美しかった。綺麗なものは引かれ合うって言う通り、コウと付き合ってたみたい。あの事件があってから、少し閉ざしていた夏芽ちゃん。心配性の大友は気にかけてたみたいだけど、時々夏芽ちゃんを見る目が心配だけでは無い気がしてたのは、気のせいなんかじゃないよね。ずっと大友も見てきたんだもん、それくらいわかるよ。

大友が本気で夏芽ちゃんを好きになる前に気持ち伝えようと思ったけど。そうしたらこんな日常を送れないって考えたら怖くなって諦めた。とことん弱虫だ。

短いスカートも新しい香水も、あの子と差をつけたくて切った髪も、全部君のためなのに。わかってる？はやく私のこと好きになって。

学校へ着くとすぐにクラス発表が掲示されてる所へ行った。神様！お願いします。大友と一緒にしてください！と、願ったのも束の間。大友とは違うクラスだと判明した。

｢えーーーー。大友違うクラス。やだ｣
｢やだってしょうがないやん｣
｢一人じゃ生きていけない｣
｢大袈裟か！駄々こねんと、さっさと教室行き｣
｢一緒にいこ｣
｢はぁ、もう、ほんと俺がいないと駄目やなあ？｣

そうなんです。君がいないと駄目なんです。逆に君がいればどんなとこでも良いんです、私は。見かねた大友は、頭をぽんぽんして、帰り教室まで迎え行くから、と優しい笑顔で言う。ずるい。この笑顔に弱いの知ってるんだ。

｢朝から大変ねぇ｣
｢あー、百合！丁度ええ、A連れてってくれんか。同じクラスじゃろ？」
｢了解ー｣

交流関係の浅い私にとって数少ない友達、百合に引っ張られて教室へ向かう。教室は自由席だったので適当に座って、時間まで百合と話していた。

｢大友…会いたい…。大友が私の知らないところで女の子と喋ってるなんて無理…｣
｢重くて怖いわ｣
｢夏芽ちゃんと大友が違うクラスなだけ安心だけどね｣
｢そんなに好きならはよ告白しちょればええのに｣
｢だってぇ、大友、夏芽ちゃんのこと…｣
｢言ったら変わるかも知れんよ？｣

告白して意識してくれて、好きになるなんて、ドラマみたいなことあるわけ無い無い。第一、夏芽ちゃんに勝てる要素が見当たらない。自分でいってて悲しくなってきた。

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