備忘録 (ページ30)

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NM 自傷行為　一話のみ　12-1 ページ30

オチなし

今日はお休み

潤くんがキッチンで料理をする音をBGMにスマホゲーム。

「痛っ！」

「どうした？」

「指切っちゃって…」

「絆創膏取ってくるよ！」

「いいよ！自分で取りに行くから。」

「でも…」

「大丈夫…大丈夫だから…」

逃げる様に絆創膏をとりに行った潤くんが心配で戻ってきた所を捕まえる

「本当に大丈夫？深く切った？」

「…大丈夫だよ？」

「ちょっと見せて」

「いや、ちょっと…」

指先を見るだけなのに。

疑問に思いながらも手を取るとチラリと見えた腕の傷

「これ…、どうしたの？」

「何でもないよ…」

「何でもないわけないじゃん。」

服を腕まくりさせると露わになる沢山の傷。

血が滲む程度で深くは傷つけられていない

俯いて何も喋らない潤くんに少しイラついた

こんな事やるって事は何かある。

どんな理由にせよ俺に話してくれなかったことが悔しかった。

「ねえ何とか言ってよ。何でこんなことしたの！」

少し声を張り上げると肩をびくつかせる潤くん

沢山の涙が頬を伝う

「…いろいろ、あって」

「色々って？」

料理を一旦止めてリビングで話を聞くと
勤務先でのパワハラが原因だった

　
自分の体を傷つける恐怖よりもストレスが上回った様で
一度やってからは止められなくなったらしい

あまり深く傷がつかない様にしてあったのが唯一の救いか。

「…でも、言って欲しかった。…っ」

「ごめん…ごめんかず…」

「これからは俺がいるからね？…俺がいるから…」

「うん…っ」

ソファの上で2人で抱きしめ合う

悔しさと申し訳なさとでお互い涙が止まらない