備忘録 (ページ23)

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潤の小さな寝息をBGMに仕事を進める

高齢化が進むこの田舎町は自然の音だけが響く静かな町

この町を出るつもりはこれっぽっちも無い

「ふふっ…可愛い顔してる」

翔によってベッドに寝かされた潤は口を少し開け気持ち良さそうに眠っている

これも薬が効いているおかげ

真昼間だけど寝れるうちに寝たほうがいいと翔は言っていた

「おはようございます。来てたんですね」

「うん。もうぐっすり眠ってる」

在宅ワークのニノもパソコン片手にやってきた

「仕事が捗るんだわここ」

「分かります。アイデアも思いつくし」

「潤のおかげかなぁー？」

「ダメだって。起きるでしょ」

「それよりも、これ。見てください」

「なにこれ？」

「水族館です。隣町に出来るんですよ？」

「へぇーあんなとこに？」

「ここよりはマシです」

「…潤くんが行きたいなぁって」

「行こう」

「いや、翔ちゃんにまだ言ってないから」

「どうせいいって言うよ。行こう。行くしか無いそれは。」

「…そうかなぁ。」

「…」

「翔くんいつにする？」

「…いや、、どうだろう。」

「ほらね？言ったでしょ？」

病室を一旦出た2人は翔の元へ直談判

「今の状況だと…あまりにリスクが大きすぎる」

「どうなったら行けるの？」

「……」

「翔くん？」

「…どうなったら行けるんだろうね、…」

「翔ちゃん…」

「…考えてみる。潤のためだもんね」

「…ありがと」