現状 西洋ガール ページ3
「あっ、待って！ ドラコ君！」
怒ったように肩を跳ねさせて行ってしまうドラコ君を必死に食い止める。弁解しようと少ない国語力で説得しようと試みるが呆気なく失敗。
「ハーフじゃないなら、何で日本語喋れたんだろ」
ぽろり、と漏れた一言。別に意識して発したものではないのだが、ドラコ君は足を止めた。そして不思議そうにさくらを眺める。そしてさくらの近くに寄る。可愛い。
「日本語？ あの島国の言語を僕が話せる訳ないだろう。それに君も英語を話していたじゃないか」
「？ アイドントスピークイングリッシュ」
文法めちゃめちゃな片言英語を話すが、ドラコ君ははあ？と本日二度目のすっとんきょうな声を出す。さくらは純日本人であるため、僅かな学校で習う英語を華麗に詠嘆出来るレベルでは無い。寧ろ練習プリントで初歩以前をつけられたばかりだ。それなのにドラコ君はさくらが英語を話せていたと言う。
「ドラコ君、わたしは日本人なんだよ。英語が話せる訳＿＿」
「ジャパニーズ？ 君が？ どう見てもイギリス人だろう！ それも珍しい容姿だが」
「え、わたしは黒髪黒目の見たままの日本人だよ！ イギリス人もこんな感じなの？」
ドラコ君の言葉に、はてなマークが頭から飛び出す。イギリス人はこのように鼻ぺったんこじゃないし、肌ももっと白い筈だ。それに世界一多い髪色が黒だと言っても、それだけでイギリス人だと簡単に区別出来る筈ない。脳を悩ませる中、ドラコ君は黙ってさくらの腕を引き、何処かへ歩き始めた。
「何処へ行くの？」
「良いから、サクラも来い」
「あっ、初めて名前呼んでくれたね！」
「うるさい。黙って歩け」
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無名 - おもしろいです。頑張ってください。 (2017年8月5日 12時) (
レス) id: a61fc697ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こより | 作成日時：2016年10月1日 10時
