＊72話＊ ページ8
エレンが、女型の巨人ーーアニをぶん殴って、建物へ叩きつけた。
体勢を崩しながらも起き上がったアニが、平地へと続く道を駆け出す。エレンもそれを追って走り出した。
平地では、立体機動による援護が行いにくい。そう考えた私、ハンジ・ゾエは班員へ指示を出した。
「二手に分かれて迂回しろ！」
すぐさま左右に分かれたのを確認し、私も移動しようと前方の建物へ目をやった。あの建物へアンカーを飛ばして、移動すれば……、
「座標だ！アニ、そいつを食いな！」
私の思考が、その声に止められた。
しゃがれてはいるが、おそらく女性だろう。日光に照らされる白髪を輝かせて、声を荒げながら屋根の上に立っていた。
『よそ見してんじゃ、ねえ！』
「A……？」
まるで巨人のうなじを狩るかのような回転をつけて、その老婆に斬りかかるAの姿が見えた。
そうか、なるほど。あの老婆がAの言っていた「ババア」というわけだ。これはお互い邪魔になってはいけない。
そう思って、すぐにその場を離れた。
……ただ、今朝Aが言っていた「座標」という言葉を老婆が口走った、というのが気にかかるけれど。
.
『昨晩の声、やはりてめえか』
「……ああ、なんだ、もう聞こえているんじゃないか」
座標。その言葉に引っかかるものがあった。声色も似ていたし、何より今、こいつが否定しないところを見ると、あたしの推測は正しかったらしい。
「そうか、もう8年だものね。ペンダントの効力も切れる頃だろう」
攻撃の手を突然緩め、ババアがあたしから距離をとった。深追いはしない。何か話すのなら、少し聞きたいと思った。
不意にババアが、エレンと女型に目をやった。
「あそこで戦う巨人は、そこいらの巨人とは違う。古くから伝わる力を人為的に受け継いだ者たちなのさ」
『てめえのさっき言った、「巨人化する施し」がそれか』
「そうさ」
頭の回転は早いようで何よりだ。そう言ってうっすらと笑みを浮かべたババアが、言葉を紡ぐ。
「あんたには、巨人化のための薬液を注射で摂取させた。普通なら、そこで巨人となってアイリスを食い、アイリスの持っていた能力を受け継ぐはずだった」
『あたしは巨人化できねえ。ましてやそんな記憶なんて……』
「そうさ、あんたは巨人化しなかった。人間の姿を維持し、巨人としての能力を残した」
ババアが強く奥歯を噛みしめて、言った。ただ、その声音は静かなものだった。
「その性質は、共鳴」
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moe(プロフ) - すごいおもしろいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年1月3日 16時) (
レス) id: 0b0aeb7aa1 (このIDを非表示/違反報告)
すす - 今日見終わったところです！！続き楽しみに待ってます!頑張ってください!! (2017年6月26日 17時) (レス) id: cf9dcfd629 (このIDを非表示/違反報告)
奏照(プロフ) - リヴァイとエルヴィン団長がカッコよすぎて、もう、ふぉぉぉぉってなりました。続きを楽しみにしています。頑張ってください！ (2017年6月13日 22時) (レス) id: ba2980cdc4 (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 小雪さん» コメントありがとうございます！更新・返信が遅くなって申し訳ないです。かっこよく書けているでしょうか！？鼻血が出るほどならば光栄です（笑）応援感謝します、頑張りますね！！ (2017年6月9日 12時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - 早く続きが見たいです！リヴァイ兵長、カッコよすぎです〜(*￣ii￣)ﾊﾅｼﾞﾌﾞｫｫｫ頑張ってください！待ってます！ (2017年4月28日 15時) (レス) id: 95291f7930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2017年2月20日 23時
