＊90話＊ ページ26
共鳴？と、ハンジがあたしの言葉を反復した。
同じく、エルヴィンとリヴァイも訝しげに眉根を寄せる。3人へ、ベルの言った言葉を真似て伝えた。
『他人の感情と「共鳴」する力……と、祖母に聞いた。ただ、今のあたしでは、十分に使いこなせていないらしい』
「感情との、共鳴……」
ふむ、と、ハンジが顎に手を当てる。メガネに夕陽が反射して、その表情はうかがえない。
「その能力は、何度か作用したの？」
『ああ。作戦中に聞こえたぞ、エレンと……アニの声だったと思う。たった数回だった上に、場合によっては立ちくらみや頭痛のようなものも伴ったが……』
「その声は、意図せず聞こえた、ということだね？」
『そうだな。ただ、』
そう言葉を濁せば、どうかした？と、ハンジが首を傾げた。
『聞いたどの声……感情も、ひどく強いものに感じた。ここからはあたしの憶測だが、たぶん、この能力で聴ける感情は、「強い感情」に限られるんじゃねえかと思う』
エレンの声から滲み出た、「怒り」「殺意」「よろこび」。
アニの声から滲み出た、「焦り」「悲壮」「懇願」。
喜怒哀楽のどんな形であれ、どれも強い感情だった。
「あなたが憶測でものを語るなんて、珍しいね」
『皮肉か？憶測でしか言えねえくらい、原状を説明する材料が乏しいんだろうが』
「まあ、そうだよね」
困ったように笑うハンジが、でも、と肩をすくめた。
「あなたの場合、憶測が妙に確信的なんだもの。ほぼそう思ってるんでしょ」
『分かってんじゃねえか。……強い感情しか聞けねえのも、恐らくあたしが力を操れていないせいだ』
「なるほどな」
足を組み直したリヴァイがそう言うのを確認して、再び口を開く。ずっと気になっていた、あたしが意識を失う直前に見たモノ。
『それで、壁の中にいた巨人は何だったんだ』
「……さあね。ニック司祭を問い詰めたけど、結局口は割らなかった」
ふん、と鼻を鳴らしてハンジが、憎々しげに笑ってみせる。言葉の通り、有益な情報は何１つなかったらしい。
「……そういやてめえ、何か言ってなかったか？」
倒れる前だ。と、リヴァイが眼光を鋭くさせた。……何か言ったか？あまり覚えていない。
『その辺りの記憶がはっきりしねえ……』
「いいや、確かに言った。『てめえは、』と、そう言いかけたはずだ。
……何か聞いたんじゃねえのか」
ーー
りっしんべんの「よろこび」にしたかったんですけど、NGワードなんですねえ……。
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moe(プロフ) - すごいおもしろいです！これからも楽しみにしてます！ (2018年1月3日 16時) (
レス) id: 0b0aeb7aa1 (このIDを非表示/違反報告)
すす - 今日見終わったところです！！続き楽しみに待ってます!頑張ってください!! (2017年6月26日 17時) (レス) id: cf9dcfd629 (このIDを非表示/違反報告)
奏照(プロフ) - リヴァイとエルヴィン団長がカッコよすぎて、もう、ふぉぉぉぉってなりました。続きを楽しみにしています。頑張ってください！ (2017年6月13日 22時) (レス) id: ba2980cdc4 (このIDを非表示/違反報告)
ぐれーとまっくすな手毬。(プロフ) - 小雪さん» コメントありがとうございます！更新・返信が遅くなって申し訳ないです。かっこよく書けているでしょうか！？鼻血が出るほどならば光栄です（笑）応援感謝します、頑張りますね！！ (2017年6月9日 12時) (レス) id: 8cdc93238d (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - 早く続きが見たいです！リヴァイ兵長、カッコよすぎです〜(*￣ii￣)ﾊﾅｼﾞﾌﾞｫｫｫ頑張ってください！待ってます！ (2017年4月28日 15時) (レス) id: 95291f7930 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐれーとまっくすな手毬。
| 作者ホームページ：＼(゜ロ＼)ココハドコ? (／ロ゜)／アタシハダアレ?
作成日時：2017年2月20日 23時
