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#10 嫉妬 ページ10

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『エイジくんっ!』





あれ以来俺の周りによく現れるようになった日比野。
名前は瑠奈とゆうらしい。




エ『なに?』

日『次の移動一緒に行かない?』





3時間目とゆうなんとも微妙な時間帯。
理科の実験のために教室を移動する。
実はこの面倒な移動だが、理科室までは
3年のフロアを通過しなければいけない。





エ『あー、うん。いいよ』





実験のある日しか通ることのない場所なもんで、Aに会えるんじゃないかと思うだけで朝から授業を乗り切れた。





日比野とフロアを通るとゆう事で、Aが嫉妬をするんじゃないかと淡い期待を寄せて日比野の誘いを受け入れることにした。





日『ふふ、じゃあ行こ!』





俺の邪念に付き合わされてるとも知らずに、日比野は嬉しそうに俺の腕をひいた。





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────────
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一歩一歩Aがいるであろう教室は近づく。
3年のフロアはやはり1年と違ってどこか大人の雰囲気をかもちだしていた気がする。





そして圧倒的に違うのは男女の距離。
誰が見てもそれが好きあっているもの同士とわかる。
こんなところでも2年の差を突きつけられた気がした。





日『ぁ…』





日比野の目線の先には友達に囲まれたAがいた。
チラッと俺に目線を変えた日比野は





日『A先輩っ!』




あろうことかAを呼び俺の腕をまた強く引っ張ってにこやかに手を振った。
それに気付いたAは、びっくりした表情を見せながらも日比野に手を振ったのだ。
もちろん隣に存在する俺にも。





「移動?エイジをよろしくね」





日比野とAに接点があることにも驚いたが、またAに子供扱いされたように思えて今度は俺が日比野を引いてそそくさとAのいる教室から立ち去った。





日『え、あっ、ちょっ』





急に引っ張られて驚いている反面嬉しそうな表情をみせる日比野や、俺が女と歩いて居ようが彼女にはどうとでもないと思い知らされたようで両方に腹が立った。









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作者名:あや | 作成日時:2019年5月26日 23時

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