マーガレット (ページ9)

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#09 はじめてページ9

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『A先輩とはどういう関係なの？』

そう言って近づいて来たのは、何度か話した事あるくらいのクラスメイト日比野。

下の名前は…、しらない。

エ『…腐れ縁…？』

断ち切りたくても断ち切れなくて、離れようとしてもすぐに気持ちを持っていかれる。

『彼女…では、ないんだよね？』

エ『うん。』

あいつを彼女と呼べたらどんな気持ちなんだろうか。いつまでも足踏みを続ける俺の片思いは、いつになったら前に進むのだろうか。

そんなことを考えながら、日比野の返答を待ってみるが彼女は先ほどまでの強張った顔から穏やかな表情を見せた。

『よかった…。A先輩がライバルなんて絶対叶わないもん。』

エ『ライバル？』

『私、入学式でエイジ君に一目惚れしちゃって…その…まだまだ私の事なんて眼中にないだろうけど、少しずつ私ってゆう存在を知ってほしい！…です』

彼女からの突然の告白に、俺は動揺を隠せない。
俺がAに対して一歩前に進めないことを、震える彼女はいとも簡単に飛び越えて来たのだ。

エ『えっと…あー…』

『ご、ごめんね？突然迷惑だよね…でも私本気だから！あの、これ…アドレス！』

ぐいぐいと彼女のペースに飲まれていき、俺の手には女子特有の丁寧に折られたメモが握られていた。

『じ、じゃあ！！！！』

そうゆうと彼女は走って教室へと帰っていく。

あまりにも一瞬の出来事で。
俺の返事を聞く事もなく彼女は去っていってしまったから、好きな人がいる。の一言も言えず俺はただ立ち尽くした。

初めて体験した告白は高一の夏の出来事。
まだまだ外は暑くて気だるさが残る日々の中に青春とやらが飛び込んできた。

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