マーガレット (ページ8)

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#08 変わらない関係ページ8

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──────あれから２年経った。

俺の健気な片想いはもちろん続いていて、めでたく春には高校に上がった。

受験勉強を口実に毎日のようにAを図書館に付き合わせて勉強を教えてもらってはいたが、俺はそこまで馬鹿じゃなかったみたいで、ただ毎日図書館でノートを開いてAと二人だけの時間を過ごしていたんだ。

もちろん進学先はAの居る高校。
勉強が苦手で入学を心配されていたそらもなんとか無事に一緒の高校に入学。もちろんみっくんりっくんのメンバーも一緒だ。

そして俺は高校に上がって気付いたことがある…

『あ！３年のA先輩だ！』

『今日も可愛い…』

『ちょっと男子！A先輩は私達の憧れなんだから変な目で見ないで！！』

Aはみんなのマドンナ的存在だった。
俺がゆうのもなんだが、２年経ってぐんと色気が増し大人っぽくなったA。俺らのクラスにも噂が立つほど有名人になっていた。あの見た目であの性格。嫌われる要素なんて微塵もないが、俺だけのAじゃ無くなった気がしてなんとも言えない感情に襲われた。

「あ、エイジ～！」

Aを見て騒ぐ人混みの中、ミルクティーを片手にAを見つめていたらAが俺の存在に気づき手を振って近づいてくる。

一斉に騒いでた人達の目が、手を振る先の俺を捉えるとまた少し騒ぎたったんだ。

エ『よ』

「さっきエイジのクラス体育だったでしょ？教室から見てたけどすぐエイジが居るってわかっちゃった。笑」

そう言って笑う彼女に、また胸が苦しくなる。
無意識なのか彼女はさらっと俺の心を鷲掴みにする。その度に俺の心はきゅっと音を立てて脈を打つんだ。

───彼女に気持ちを伝えたらどうなるだろうか。

何度も考えて考えて、俺の気持ちを抑えた。俺を見つけては笑顔で駆け寄ってきてくれる君が愛おしくてこのままの関係性も悪くないなって言い聞かせる。

エ『俺もAの体育してるとこ見たわ』

「え、いつ？！」

エ『サッカーで思いっきり空振ってるとこ。』

「もう！！」

そんな可愛くない後輩から没収～。と、手に持っていた少し生ぬるいミルクティーを俺から取り上げると

「また、放課後ね」

俺の大好きな笑顔を向けそそくさとその場を去っていく。もちろん俺のミルクティーは彼女の手の中にあって先ほどまで俺の口先にあったそれを咥えるのだ。

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