#04 夏祭り ページ4
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「来週夏祭りあるじゃん?」
エ『あー…うん。』
「誘ってみようかなって…」
エ『ふーん。』
「やっぱ男の子って浴衣着た女の子にきゅんとする?笑」
そう言って照れたように笑うA。
どうやら新しい浴衣まで買ったらしい。
相手に少しでも可愛いと思ってもらいたいとゆう、健気な乙女心とゆうものだろうか。
エ『浴衣着たところで何も変らねぇよ。』
なんて笑い飛ばしたら、
「エイジって何もわかってない!」
って、手に持っていた俺のお気に入りの分厚い漫画が飛んできた。
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『えいちゃん今日夏祭り行く?』
エ『なに、デートのお誘い?』
『ばぁか!射的勝負しようぜ!』
バンバン!と俺の目の前で射的のイメージトレーニングとやらを始めるクラスメイトのそら。
毎日バカやってる仲間のうちの一人。
いわゆる親友とゆうやつだ。
エ『お前に負ける気なんか全然しないんだけど(笑)』
そ『他にも声かけとくから、ぜってぇみんなの前で大恥かかせてやる。』
そらに別れを告げて、集合時間までまだ少しあるな…なんて思いながら自宅へと足を向ける。
あいつは兄貴を誘えたのだろうか。
家までの帰り道、兄貴とあいつの姿を想像しながらなんとも言えない感情が俺をぐるぐる包みこむ。
エ『…あ』
『あ、おかえりエイジ』
タイミングがいいのか悪いのか、かっこよく浴衣を着こなした兄貴の姿。
────隣にはあいつはまだ居ない。
エ『出かけんの?』
『うん。彼女と夏祭り(笑)』
兄貴から出た“彼女”とゆう単語に、どくんと身体が脈を打つ。あーあいつ上手くやったんだな。
エ『いってらっしゃい』
そう言って兄貴を見送る俺は、今一体どんな表情をしているんだろう。
自分で想像するだけで鳥肌がたった。
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作者名:あや | 作成日時:2019年5月26日 23時