Milk＊Junho story ページ38
始まりは只の雨。
もう随分長い間、恋とか愛とか。
無縁な毎日をただやり過ごす日々で。
変化や期待なんて望んでなくて。
退屈だけどちょっとした幸せと感動があればそれだけで充分だったはずなのに。
傘を上手くさせない不器用な私は雨の日はいつも足元が濡れて。
それでも雨が好きで。
少し離れたコンビニまで歩けば。
案の定お気に入りのスニーカーは重たくなっていた。
傘を閉じてふいに視線を上げると。
軒下に真っ黒なツバのついたキャップ。
その上からさらに黒いパーカーのフードを目深に被った人が居た。
何となく。
何となく。
一瞬だけアーモンド型の瞳と視線が重なった。
だけどたったそれだけの後に。
2本買った缶コーヒーの一本をゆっくり差し出してみれば。
黙って受け取った彼の指先が酷く冷たくて。
長い時間この場所に居たことが読み取れたから。
お互いのコーヒーが無くなったのを確認して。
一言だけ。
「雨宿り?」
そう聞けば。
警戒した様に一瞥をくれた彼。
あ。
間違えた。
「ウチ、来る?」
今度は正解みたいで。
駆け引きとか。
タイミングとか。
本当にご無沙汰で。
傘立てから私の傘だけを抜き取った彼が。
長い左の指先で優雅に傘を開いた瞬間。
あっという間に今度は右手に腰を引き寄せられて。
慌ててもたついた私の足が。
彼の足元までをも濡らした。
広くない玄関に
濡れた二足の靴が乱雑に脱がれて。
彼の顔を確かめようと手を伸ばしかければ。
だけど一瞬で触るなと言わんばかりに、自分からその顔を見せつけるかの様にしてフードを外す。
あ。
やっぱり。
日本人じゃない。
クリーム色に綺麗に染められた短めの髪と。
はっきりとした黒色の形の整った眉毛。
それからぽってりした唇。
でもね。
声は一つもそこには無かった。
それでも今の私には彼の声を聞いた気がして。
急いでバスルームに彼を押し込んで。
無理矢理に温めさせた。
私がバスルームから戻れば。
枕を抱きしめる様にして眠りについている背中が見えた。
静かに近づけば。
左の首筋のほくろがやけに艶かしくて。
白いシーツの上でしなやかに寝る姿が猫みたいで。
起こさないようにと狭いベッドに
静かに向き合うように入った。
私はミルク色のこの寝顔に恋をした。
静かに降りだしたこの雨は。
まだ暫く止みそうに無い。
Black Velvet1＊Wooyoung story＊under→←Tonight＊Taecyeon story
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
