Black Velvet1＊Wooyoung story＊under ページ39
スライスレモンとミントの爽やかな香りが好きで頼んだジンデイジー。
辛口のジンとシロップの甘さ、それから酸味のあるレモンジュースがグラスの中でブレンドされて、一口目からバランス良くそして、淡く広がる心地良さ。
私の疲れを癒してくれるbarで過ごすこの時間が大好きで。
だけど。
２席空けた左隣のカウンターから聞こえてくる別れ話がその時間を一瞬にして奪い去った。
『僕、この人と付き合うから。
だから、キミとは今日でバイバイ。』
そんな台詞の最後が耳に届くよりも早く、私の腕はひんやりとした指にきつく掴まれて。
勢い良く引き寄せられた体は、傾きながらも自然と見知らぬ彼にしっかりと抱き寄せられていた。
ついていけない展開に本当なら抗わなければならないはずなのに。
鼻腔をくすぐる彼からの香りが、酷くセクシーで。
思考は瞬く間に停止して。
頭上から降るカルーアの甘い甘い囁きに。
ただただ頷くことしか私には出来なかった。
『僕と一緒に来てくれる？』
店を出た路地裏で捕まえた1台のタクシーの中で、漸く彼の顔を見た。
ルーズに下ろされた黒髪の前髪から覗く綺麗な鼻梁が印象的で、艶かしくて見入っていれば。
『僕の事、知ってる？』
そう聞かれて。
素直に首を横に振る。
『くくっ。そっか。僕もまだまだだね。』
そう言った彼の言葉は自嘲気味で。
だけど、何故か安堵しているようにも見てとれて。
そんな横顔に何て言葉を返せば良いのかわからない私を尻目にしながら、何処かへ電話をかけた彼。
『−−−ヒョン、今から１部屋用意できる？』
静まり返る車内に響いたその言葉の意味が理解できない程私は無知ではないし。
ましてやそんな年齢でもなくて。
だからこそわかる。
たったあれだけの短いコールトークで、手配出来る“部屋”があることが一体どういうことかも。
お互いの膝がぶつかる程近くに座って居る彼との距離は決してゼロでは無いのだと、そう強く自分に言い聞かせながら。
私は自ら彼の手を取った。
躊躇い無くロビーで受け取られたルームキーも。
迷うことなく押されたエレベーターのフロアーナンバーも。
私を招き入れた優しい仕種さえも。
その総てが手慣れているようで。
私は目の奥がじんわりと熱くなるのを感じながら。
その“部屋”に鍵をかけた。
Black Velvet2＊Wooyoung story＊under→←Milk＊Junho story
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
