初恋の行方4＊Junho story＊under ページ25
ジュノが、私にあの日のことを謝るために来たのだとわかれば。
それを知りながらもここに留まる勇気など私には無かった。
急いでジュノの前から姿を消したかった。
だって。
私が彼を想って過ごしていた時間こそが、彼を苦しめていただけだったのだから。
車から急いで飛び降りて、私は走った。
真っ暗な街を。
一人で。
ただひたすら真っ直ぐに続く細い道が。
いつまでも出口の見えない私の心のようで。
前に進むのが怖くてたまらなかった。
それでも、もういい加減この恋に終止符を打たなければならない。
そう思って、あるのかもわからない出口を求めて震える足で走り続けた。
だけど、いくら走っても出口なんて見つからなくて。
泣きたくないのに涙はひとりでに溢れ出して。
とうとう、私はその場に立ち尽くし。
声に出して泣き出した。
一度溢れてしまった涙は、もう自分では止められなかった。
ここがどこで。
誰に見られようとも。
人目を気にせず泣いた。
この涙を最後の涙にしよう。
この涙を最後の涙にしよう。
この涙が枯れたら、ジュノへの想いも枯れる。
そう信じて。
最後まで泣いてしまおう。
そうやって無理にでも泣いた。
そして私はもう二度とその言葉を口に出すことはないと決めた愛しい人の名前を。
一度だけ。
その一度に私の想いの丈の全てを託し、ゆっくりと口にした。
『ジュノ…』
私が落とした小さな声は、背中から抱き締められた優しい温もりの中へと淡く消えていった。
『うん』
私の耳の横に静かに降り注いできたそれだけの音が、たった今決心したばかりのこの気持ちをまた激しく揺さぶる。
もうやめて。
『俺だよ!?』
もうやめて。
お願い。
もう止めたいの。
苦しすぎるの。
『A、逃げんな』
もう、私を逃がして。
お願いだから。
『俺、10年ずっと後悔した』
抱き締められていた腕に力が込められたのがわかれば、私の剥き出しのままの心までも強く締め付けられる。
『あの次の日からAの姿が教室から無くなって。Aの声も俺の世界から消えて。俺、お前が好きなんだって…ようやくその時気づいたんだ』
ジュノが一生懸命言葉を選んでいるのがわかった。
ジュノは気持ちを言葉にするのが下手だから。
そんな彼が必死に私に言葉を紡いでいく。
『だけど幼かったあの頃の俺は。無駄なプライドばかりが邪魔をして、お前を探す勇気がなかったんだ…』
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
