初恋の行方1＊Junho story＊under ページ22
『A、久しぶり!!』
予約されていたトラットリアの奥のテーブルから、懐かしい友達の声が聞こえてきて、私もその席へと急いで駆け寄り腰掛ける。
『だね。10年近く会ってなかったね!?』
『うんうん。でもこの前偶然擦れ違った時、Aだってすぐわかったよ!!だって変わってないから〜!!』
私達は高校の同級生だ。
転校生の私に一番最初に声を掛けてくれた女の子が、ヨンジだった。
私とヨンジは白のサングリアを飲みながら、
久しぶりの再会におしゃべりが止まらなかった。
だから、美味しい料理に美味しいお酒と、楽しい話題でご機嫌だった私は、急に出てきたヨンジの話題に慌てた。
『Aがさ、又急遽転校するって決まって、教室で最後の挨拶した日。アイツよりによって熱出して休みとか。普段熱なんて出さないアイツが…有り得ないよね!!』
『アイツ!?』
『ジュノだょ、イ・ジュノ！A、隣の席だったでしょ!?まさか本当に夢を叶えて歌手になるなんてね!!』
ヨンジは、バジルとモッツァレラチーズののったピッツァを器用にくるりと巻いて食べていく。
『ジュノ。イ・ジュノ…』
私が小さく呟くと、ヨンジはケラケラと大きな声で笑った。
『A、まさかジュノのこと忘れた!?』
…忘れるわけないよ。
だって私の初恋の人だもん。
そして今でも好きな人だよ。
…忘れてなんていないよ。
『覚えてるよ…』
『だってさ、良かったね!!ジュノ!!』
ヨンジの言葉を理解する前に、私の空いていた隣の席が音をたてて急に埋まった。
私の視線は、隣に座った人物のダメージジーンズからジャケットへとゆっくりと辿り、息を飲むようにして見つめた先には。
あの頃と変わらない糸目で笑うジュノがいた。
『久しぶりだな、A。元気だったか!?』
元気じゃなかったよ。
テレビにジュノが映る度に、ジュノが思い出されて。
最後に会えなかったあの日を思い出しては泣いていたのに。
『うん。元気だったよ』
だけど、私はもう彼にその気持ちを伝えることは出来なくなってしまった。
彼は今をときめくスターになり、私は只の会社員。
こうして一緒に食事をすることすら本当なら叶わないような、そんな人に彼はなってしまったから。
だけど、彼の見せるこの笑顔が。
向日葵みたいに元気に笑うこの表情が。
記憶の中の彼と変わらない大好きな笑顔だから。
私の胸は今にも泣き出しそうなほど苦しく。
私の目は抗えないほどにジュノを追ってしまうのだった。
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
