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「やーいガキ(笑)」
そう言っていつもみたいに変顔で俺を煽ってくる。
わざと子供っぽいことしてわざとバカなふりして、わざと頼りないリーダーのふりして、本当はこいつが一番メンバーを理解しているしっかり者のリーダーなんじゃないかって。
あぁ、本当に彼女がそらを好きにならなくてよかった。
心底そう思った。
「えいちゃんさ、Aのこと好きでしょ。女の子として」
だってこんな男に俺が勝てるところなんて、ないでしょ。
「うん。好き」
そらはニッと満足そうに笑うと、
「また2人で出かけたら怒る？(笑)」
とニヤニヤしながら顔を覗き込む。
「怒んないよ。…付き合うまでは」
「え、付き合ったら？」
「ダメに決まってんじゃん。そらだし(笑)」
「どういうこと！？どんな風に見てんの俺のこと！」
「そらはAに余計なこと教えそうだからダメ」
「なんだよ余計なことって！」
「えっちの時こうしたら喜ぶよとか」
「あーそれは言いそう(笑)」
「ほら。だから絶対2人きりにしない。Aにそんなこと教えたくないもん」
「えぇ〜。じゃあ〜……」
気づけばベランダで何時間も話していて、部屋へ戻る頃には空は明るくなり始めていた。
自室へ戻る前になんとなく顔が見たくなって、ゆっくりと扉を開けると、肩まで布団をかぶって熟睡するAがいた。
抜き足差し足でそばまで行くと、ベッドの側にしゃがみ込んだ。閉め切られたカーテンの隙間からは薄明かりがのぞいていて、薄暗い部屋に規則正しいAの寝息だけが響く。
なんで、覚えてねーんだよ。
俺、嬉しかったのに。幸せだったのに。
誰と間違えたんだよ。
俺は誰の代わりだったの。
愛しいのに憎らしいその可愛い寝顔。ちくしょう。今は可愛いなんて思いたくないのになぁ。怒ってんのになぁ。
ふいに、ゆっくりとAが寝返りを打って仰向けになるから綺麗な髪が彼女顔にかかる。
誰にもとられたくないな。
誰にも触らせたくない。
「……。」
ゆっくりと髪をよけてやると、露わになった唇に吸い込まれるように口付けた。
「…おやすみ」
急に恥ずかしくなって、逃げるように部屋を出る。俺は一体何をしてるんだろう。気づいたらキスしてたなんて、もし彼女が起きていたらそんな言い訳をするつもりだったんだろうか。
さっきそらは応援すると笑ってくれたけど、思っているよりも俺は重症になってるのではと徐々に焦りを感じ始めていた。
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月海(gekka)(プロフ) - ファンさん» こちらこそ、ステキなコメントをありがとうございます。リアルさと分かりやすさを意識して書いていたので、それが伝わったようでとても嬉しいです。愛の深い方だなんて恐縮ですが、これからもそんな作品を作っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします (2019年4月15日 7時) (
レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
ファン - おつかれさまでした！描写がお上手で、みんなの表情とか動きが鮮明に想像できて、読んでて本当に幸せでした。あとがき読みましたけど、月海さんこそ愛の深い方だなと、それにそれを表現する力をお持ちの方だなと感じます。。！ステキな作品をありがとうございました！ (2019年4月14日 10時) (レス) id: 48cd0ac296 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - いずさん» お返事遅くなってしまいすみません！イメージしやすいような文章を意識しているので、読みやすいと言っていただけてとても嬉しいです！もう少しで終わってしまいますが、最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月24日 22時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
いず - 月海(gekka)さん» ストーリーの書き方など、とても読みやすくて夢中になっちゃいます。これからも更新楽しみに待ってます！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 50d70a4755 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - まっ茶さん» ありがとうございます。最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月21日 13時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月海 | 作成日時：2019年3月4日 18時
