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「Aさぁ、えいちゃんとなんかあった？」
渋谷をぶらぶらしていると、そらが突然切り出したのは核心に触れるような話題でドキッとした。
必死になんでもない風を装う。
「え、なんで？」
「いや、なんか最近えいちゃんの様子がおかしい気がするんだよね。Aが関わってる時だけ」
「私？」
「わかんないけどさぁ、なんとなく。そんな感じがするんだよ。今日のももしかしたら嫉妬してたのかなぁとか」
「嫉妬…」
いやいや、えいちゃんに限って嫉妬なんて、ない。だってえいちゃんは私のことをただの幼馴染としか思っていなくて、この前のことだって、酔っ払ってた勢いみたいな感じだったし…。
「…全然、心当たりない」
「ふーん。そっか。ま、ならいいけど。えいちゃんになんか買って行ってあげようよ、変なやつ(笑)」
「それいいね」
そらの服を選ぶのに付き合って、東急ハンズで企画のものと他のメンバーに変なお土産を買って帰路に着いた。
＊＊＊
その日の夜、えいちゃんが私の部屋の扉をノックしたのは夜も更けた深夜の1時ぐらいのことだった。シャワーを浴びたのか、髪は少し濡れている。
「A」
「どうしたの？」
寝転んでスマホをいじっていた私は、体を起こした。えいちゃんは私の方へ歩み寄るとベッドへと腰掛ける。ギ、と軋んだ音がした。
「いや…なんかさ」
「うん？」
えいちゃんは口ごもってそわそわと落ち着かない様子で髪を触る。
「なに、どうしたの(笑)」
「その…ごめんね」
「え、なにが？」
「今日…なんかすごい嫌な態度とっちゃったから」
えいちゃんは真っ直ぐに私の目を見つめる。
「…そんなの、いいよ謝らなくて。毎日大変だしそういう日もあるでしょ。でもそらが心配してたよ」
「うん…。わかってる。…あとさ、１つ聞きたいんだけど」
「なに？」
「Aって…そらのこと好きなの？」
その目が、少し悲しさを含んでいるように見えた。私はまさかの問いかけに驚いて目を丸くする。
「へ？私がそらを？なんで？(笑)」
「いや、なんとなく」
「友達としては好きだよ」
「…そっか」
えいちゃんは立ち上がってうーんと伸びをすると、「そっかぁー」ともう一度言って笑った。
「よかった。じゃあ、おやすみ」
優しくはにかんで私のあたまをくしゃっと撫でると、部屋出て行く。私はうるさいほど高鳴る自分の胸の音を聞いていた。
よかった、ってどういう意味…？
私単純だから、期待しちゃうよ、えいちゃん。
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月海(gekka)(プロフ) - ファンさん» こちらこそ、ステキなコメントをありがとうございます。リアルさと分かりやすさを意識して書いていたので、それが伝わったようでとても嬉しいです。愛の深い方だなんて恐縮ですが、これからもそんな作品を作っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします (2019年4月15日 7時) (
レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
ファン - おつかれさまでした！描写がお上手で、みんなの表情とか動きが鮮明に想像できて、読んでて本当に幸せでした。あとがき読みましたけど、月海さんこそ愛の深い方だなと、それにそれを表現する力をお持ちの方だなと感じます。。！ステキな作品をありがとうございました！ (2019年4月14日 10時) (レス) id: 48cd0ac296 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - いずさん» お返事遅くなってしまいすみません！イメージしやすいような文章を意識しているので、読みやすいと言っていただけてとても嬉しいです！もう少しで終わってしまいますが、最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月24日 22時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
いず - 月海(gekka)さん» ストーリーの書き方など、とても読みやすくて夢中になっちゃいます。これからも更新楽しみに待ってます！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 50d70a4755 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - まっ茶さん» ありがとうございます。最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月21日 13時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月海 | 作成日時：2019年3月4日 18時
