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心地いい暖かな温度にゆっくりと目を冷ます。
肩までしっかりとかぶった布団の中で、カーテンの隙間からさす一筋の光をぼんやりと眺める。
手探りで携帯を探して時間を確認すると、朝の6時で、いつもより1時間も早い起床だ。あと1時間も寝れる、と布団をかぶり直した時、ふいに自分のものではない香りがしてハッと目を覚ました。
「っ！」
勢いよく飛び起きると、そこは紛れもなくえいちゃんの部屋。だんだんとはっきりしてくる意識の中で昨日のことを思い出す。
そうだ、私昨日えいちゃんの看病したまま寝ちゃったんだ。
––––好きだよ
––––熱が下がったら、おれも言いたい。
一瞬にして耳まで熱くなるのがわかった。私はなんて恥ずかしい発言をしてしまったんだろう。流されやすい性格が災いし、「行かないで」とえいちゃんに手を握られた勢いで好きだと伝えてしまうなんて。今更後悔しても遅いのだけど。
それでも、えいちゃんの意味を含んだ「おれも言いたい」という言葉に胸は高鳴るばかりだった。
当の本人はここにはいない。きっとそのまま寝ちゃった私をベッドへ寝かせて、リビングのソファで寝ているに違いない。えいちゃんはそういう人だ。
私はゆっくりと体を起こすと、おそるおそる部屋の扉を開けた。
「わっ…！」
…すると、目の前にえいちゃんがいたから思わず飛び退いた。
昨日よりも随分と顔色も良くなって、もはや治ったんじゃと思うほど元気そうだ。
「あれ、Aもう起きたの？」
「あ、うん…。ありがとう、ベッド使わせてくれて」
「あぁ、よだれ垂らして気持ちよさそうに寝てたから起こせなくて」
「え、うそ！？」
「うっそー(笑)」
「ねえーやめてよ。…てか、もう熱大丈夫なの？」
「完全復活！ピコーン！さっきはかったら36度台になってた。今ちょうど昨日の分の編集してたとこ」
10時間以上も寝た、と大きな伸びするえいちゃん。
あれ、なんかいつも通りだな。なんなら今までよりもいつも通りだな。昨日のアレは私が見た夢だった…？？
「A仕事でしょ？」
「あ、うん」
「先シャワー使っていいよ。俺後で入る」
「ありがとう」
愛想笑いで返して、よくあるえいちゃんの多重人格なのか、それとも本当に忘れてしまっているのか、と首を捻りながら横をすり抜けると、「あ、」とえいちゃんが言うから振り返った。
「ありがとう、昨日」
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月海(gekka)(プロフ) - ファンさん» こちらこそ、ステキなコメントをありがとうございます。リアルさと分かりやすさを意識して書いていたので、それが伝わったようでとても嬉しいです。愛の深い方だなんて恐縮ですが、これからもそんな作品を作っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします (2019年4月15日 7時) (
レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
ファン - おつかれさまでした！描写がお上手で、みんなの表情とか動きが鮮明に想像できて、読んでて本当に幸せでした。あとがき読みましたけど、月海さんこそ愛の深い方だなと、それにそれを表現する力をお持ちの方だなと感じます。。！ステキな作品をありがとうございました！ (2019年4月14日 10時) (レス) id: 48cd0ac296 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - いずさん» お返事遅くなってしまいすみません！イメージしやすいような文章を意識しているので、読みやすいと言っていただけてとても嬉しいです！もう少しで終わってしまいますが、最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月24日 22時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
いず - 月海(gekka)さん» ストーリーの書き方など、とても読みやすくて夢中になっちゃいます。これからも更新楽しみに待ってます！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 50d70a4755 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - まっ茶さん» ありがとうございます。最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月21日 13時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月海 | 作成日時：2019年3月4日 18時
