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“他の男に触られてたりしたらやだなって思った”
耳元で聞こえた低く、弱々しい声が何度も頭の中を反芻して、いくら体勢を変えてみても眠れそうにはなかった。
思い出しただけでぎゅっと掴まれたみたいに胸が苦しくなる。
だって私の肩に、首筋に額を寄せて。そんな言い方するから。もしかしたら、なんて淡い期待を抱いてしまうよ、
大事なところだけ、一番聞きたいところだけは笑うばかりで教えてくれないなんて、えいちゃんは本当に罪な男だ。
＊＊＊
結局眠れなくって、ホットミルクでも飲もうとキッチンを訪れるとそこには先客が。
「あれ、Aまだ起きてたの？」
「うん。なんか眠れなくて。みっくんは？」
「俺も編集してたらお腹減ってさ。カップラーメンでも食おっかなって」
「何か作ってあげようか？簡単なやつでいいなら」
「まじ！作ってよ。Aが作るもんだったらなんでもいいよ」
しばらくして、レンジで簡単にできるトマトチーズリゾットをソファに寝そべってスマホをいじっているみっくんの前に出すと、子供のように目を輝かせて飛び起きた。
「うわっめっちゃうまそうじゃん！これ今作ったの！？」
「いや混ぜてレンジでチンするだけだよ(笑)」
「俺絶対こんなんできないもん！すげえ。いただきます」
「どうぞ」
私は向かい合うように座ると、ゆっくりとホットミルクを口にした。ほんとにすぐできる簡単なやつなのに、こんなに目を輝かせておいしいおいしいって食べてくれるから、仕事で疲れて帰ってきても、彼らにご飯を作ってあげたいと思うんだよね。
「めっちゃうまい！A食った？これ。食ったほうがいいよ」
「いや、いいよ(笑)食べたことあるから」
「いいから一口食べなよ、ほら」
「ちょ、」
無理やり口に突っ込まれ口の中に広がるまろやかなチーズとトマトの味。
「うん、おいしい」
「でしょ！？」
「いや私が作ったから知ってるよ味くらい(笑)」
みっくんは、えいちゃんと少し似ていて感情は豊かだけど、肝心な時に思いを口にしないことがある。そらやりっくんは結構思ったら思った時にどストレートに言っちゃうタイプだけど、えいちゃんもみっくんも本当に思っていることはいつも教えてくれない。
きっと人一倍照れ屋さんなんだろうな、と私は勝手に思っているんだけど、そうしていつもみんなを陰ながら見守っているみっくんだからこそ、聞きたいことがあった。
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月海(gekka)(プロフ) - ファンさん» こちらこそ、ステキなコメントをありがとうございます。リアルさと分かりやすさを意識して書いていたので、それが伝わったようでとても嬉しいです。愛の深い方だなんて恐縮ですが、これからもそんな作品を作っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします (2019年4月15日 7時) (
レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
ファン - おつかれさまでした！描写がお上手で、みんなの表情とか動きが鮮明に想像できて、読んでて本当に幸せでした。あとがき読みましたけど、月海さんこそ愛の深い方だなと、それにそれを表現する力をお持ちの方だなと感じます。。！ステキな作品をありがとうございました！ (2019年4月14日 10時) (レス) id: 48cd0ac296 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - いずさん» お返事遅くなってしまいすみません！イメージしやすいような文章を意識しているので、読みやすいと言っていただけてとても嬉しいです！もう少しで終わってしまいますが、最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月24日 22時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
いず - 月海(gekka)さん» ストーリーの書き方など、とても読みやすくて夢中になっちゃいます。これからも更新楽しみに待ってます！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 50d70a4755 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - まっ茶さん» ありがとうございます。最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月21日 13時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月海 | 作成日時：2019年3月4日 18時
