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「ただいま〜」
家に帰ったのは7時ごろ。えいちゃんが言ってた通り、家には誰もいなくって、しんと静まり返った廊下や部屋がやけに寂しく感じた。
家にあるもので適当に食事を済ませ、お風呂に入ろうとした時、半開きだったえいちゃんの部屋の扉にパーカーが挟まっていて、どうしたらこんな中途半端な脱ぎ方ができるのかと少し笑ってしまう。
洗濯は各自でやっているので、せめて畳んで置いておいてあげようとくちゃくちゃになったそのパーカーを拾い上げた。
「……。」
こんな時、良からぬことを思いついてしまうのは誰もいないという解放感のせいだろうか。
ゆっくりとそのパーカーに顔を近づけてゆっくりと息を吸う。えいちゃんの匂いですぐに胸がいっぱいになって、いつまでも嗅いでいたいとさえ思う。自分でもその変態的行為に危機感は感じているものの、「誰もいない」という状況がさらに私の好奇心を掻き立てた。
ちょっとだけならいいよね。
えいちゃんの部屋に忍び込むと、ゆっくりとベッドへ横になった。
えいちゃんの匂いってどうしてこんなに落ち着くんだろう。微かに香る香水の匂いも、柔軟剤の匂いも、それ以外の“えいちゃんの”匂いも。全てが副交感神経を刺激して、みるみるうちに眠気がやってきた。
えいちゃんに、会いたいなぁ…。
毎日会っているのに、今朝も会ったのに、もう会いたいと願ってしまう。
叶わなくてもいいからせめてもう少しだけ、えいちゃんに彼女ができませんように。
今日はとことんセンチメンタルらしい。睡魔と戦いながら考えるのはえいちゃんのことばかり。こんなところで寝たらだめだ、バレたらどうするの、と自分に言い聞かせても睡魔に占領された私の体は微動だにしない。まぶたは鉛のように重くって開くことさえ困難だ。
今日は遅くなるって言ってたし……
そう思ったところで私は意識を手放した。
＊＊＊
バタンッ
勢いよくドアが“閉まる”音にハッと目を覚ますと、えいちゃんが立っていた。
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月海(gekka)(プロフ) - ファンさん» こちらこそ、ステキなコメントをありがとうございます。リアルさと分かりやすさを意識して書いていたので、それが伝わったようでとても嬉しいです。愛の深い方だなんて恐縮ですが、これからもそんな作品を作っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします (2019年4月15日 7時) (
レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
ファン - おつかれさまでした！描写がお上手で、みんなの表情とか動きが鮮明に想像できて、読んでて本当に幸せでした。あとがき読みましたけど、月海さんこそ愛の深い方だなと、それにそれを表現する力をお持ちの方だなと感じます。。！ステキな作品をありがとうございました！ (2019年4月14日 10時) (レス) id: 48cd0ac296 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - いずさん» お返事遅くなってしまいすみません！イメージしやすいような文章を意識しているので、読みやすいと言っていただけてとても嬉しいです！もう少しで終わってしまいますが、最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月24日 22時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
いず - 月海(gekka)さん» ストーリーの書き方など、とても読みやすくて夢中になっちゃいます。これからも更新楽しみに待ってます！ (2019年3月21日 23時) (レス) id: 50d70a4755 (このIDを非表示/違反報告)
月海(gekka)(プロフ) - まっ茶さん» ありがとうございます。最新話も楽しんでいただけると幸いです。 (2019年3月21日 13時) (レス) id: ef1778982a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月海 | 作成日時：2019年3月4日 18時
