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side:二宮
「よっし。終わり。」
タンと気持ち良くキーを叩く。
楽しかったジャにのの夏休み。
山がいなかったのは残念だけど、その代わりと言ってはなんだけど、天然記念物のカモシカが参加してくれた。
キャニオニングも全力でやらせて貰ったし。
そんな俺らの動画を楽しんで貰えたらと、思う。
ポキポキと音を鳴らしながら伸びをすると、閉めたままのカーテンの隙間に目がいった。
席を立って窓際へと移動する。
カーテンを開けるといつの間にか雨が降りだしていた。
雨音すらしない細かい雨。煙る町は普段と違う表情を見せていた。
・
まどのそとはあめ あめがふってるぅ〜
思いがけず、古い歌が口を付く。
しばらくの間、歌を口ずさみながら街を眺めた。
あれ、霧が出てきたの？
珍しいな・・・・
白い布越しのような幻想的な風景は写真に撮っても上手く写らなくて。
諦めてカーテンを閉め振り返ると、そこに部屋はなかった。
いや。
部屋はあるんだと思う。
何故なら俺の真下の床は見えるから。
ただ、それ以外の所は濃い霧に覆われたかのようで、一寸先は闇ならぬ乳白色。
霧が部屋に入ってきた？そんなばかな。
窓は開けてないし、換気だってきちんとしてる。
でも、手を伸ばすと指先がぼんやりする程の濃い白が揺蕩っている。
俺はその場から一歩も動けなかった。
・
たまたま手にしてたスマホは圏外を示している。
試しにあちこちに電話をしても、うんともすんとも言わない。
何が起きたのかさっぱりわからないけれど、単なる自然現象とは違うってことね・・・
俺は霊的なことや不思議なことは信じる方だけど、今起きてることがそうなのかはわからない。
だからどうすればいいのかもわからない・・・
どうにか外と連絡が取れないか、色々と考えていたはずなのに。
いつの間にか夢うつつ・・・・
・・・・？
ヒトよりも高い体温の気配を・・・
感じたような・・・
そもそも俺は眠ってるの？
それとも起きてるの？
このまま目を瞑っていてもダメだと思い、恐る恐る目を開ける。
そこには二つの目があった。
じっとこちらを見ている目。
それは人間のものではなく、獣の瞳。
意図せず見つめ合う形になり、冷や汗が出る。
そして、不意に。
その輪郭が揺れた。
そして少しずつ近づいてくる感じが・・・した。
おい、やめろよ。
こっちに来んな。
手にしたままのスマホをキツく握り締めた。
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ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃんさん、嬉しいコメントありがとう。そうなんです、黒須の役目はノコルのお守りであり警護なのだと思っています。叱られノコル、気に入って貰えて嬉しいです。私も好きなシーンです。 (10月4日 18時) (
レス) id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - ちえさん、第2弾ありがとうございます！ノコ黒の距離感、縮まってる気がします〜〜。ラストの叱られノコル、かわいいです💛好物です💛本編では黒須はテントの見張りのようでしたが、ノコちゃんのお守が主なお役目なのかもですね。ありがとうございました。 (10月4日 18時) (レス) @page43 id: e6e2755141 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - あんずさん！いらっしゃいませ。１人佇むノコル、印象的でしたね♡きっと１人背負い込んでしまうと思って…。助けてくれる人がいるよ、という気持ちで書きました。ここは黒須の出番ですよね😁気に入っでいただけたのなら嬉しいです。 (9月25日 0時) (レス) @page38 id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ポツンとバルカに残されたノコル姫、とっても心配しておりました… 強がって意地張っていても身体は正直ですね(；；) お話にしてくださってありがとうございます！姫を頼んだよ黒須…！ (9月24日 23時) (レス) @page38 id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ねこにゃんさん» ねこにゃんさん！早速ありがとうございます。本当に大切に育てられた姫でしたよね〜。ベタベタ甘やかしそうな乃木兄さんと、厳しく鍛えるけど要所は押さえる黒須。いいコンビでした。続編？ええっ？続編はあまり期待しないでくださいね〜(汗)。 (9月24日 18時) (レス) id: 1ddc255e22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん
| 作成日時：2021年4月25日 16時
