summer2-11 ページ33
「１１９番、１１９番ってブツブツいいながらスマホ取り出したら、
カズが小さな声で"止めてっ"ていって俺の手をつかんだ。
びっくりしたよ。意識がないって思っていたから。
体も熱いし、傷だらけなんだよ？病院行かなきゃ！って！叫んだんだ。
そうしたら”救急車はいらない。こんな普通のけが人は病院も困るよ”って言うんだ。」
「この間も、救急車って口にしたらしょーさんから止められたもんね。
それで、カズさんの怪我は大丈夫だったの？」
「うん、まあ。身体をよく点検していくと、数こそ多いけど切り傷だけ。
今回みたいに深いものもなくて、渋々カズの言う通りにしたんだ。」
消毒が傷に沁みるだろうに、痛いと声をあげる気力もなくなり、唸るだけのカズ。
あちこちの傷にテープや包帯を巻き、ベッドに寝かせてアイスノンと冷えピタを置いたら、
俺はもう何にもすることがない。
何をしていいか、わからない。
時々水を飲ませて、体を拭いたりするくらい。
声を掛けたら返事はするけど、もう、不安で不安で仕方がなかった。
「わかる。わかるよ。俺もこの間は無茶クチャ不安だったし、今でもそうだよ。」
相葉くんが大きく賛同してくれた。
「そうだよね。こんな事、やっぱり慣れるって事はないよね。」
翌日になっても状態は変わらなくて、とても目がが離せる状態じゃない。
仕方なく店に休むって言ったら、大事なお客様が来る日だからすぐに来いって怒鳴られるし。
どうしようもなくて、困り果てた俺はしょーさんを呼んだんだ。
「ジュンくんは連絡先知ってるんだ。俺、何かもらったっけ？」
相葉さんはズボンや財布をガサゴソ。
「違う違う。電話とかで連絡とった訳じゃないんだ。」
「え？どういう事？」
「子どもみたいに”しょーさん、助けてー”って叫んだの。」
「え？ここで？」
「うん。ここで。」
相葉くんの目が大きくひらかれ、頭から足先までが赤くなるのを感じる。
「本当にただのガキで、手立てが何も浮かばなくてさ。泣くしかできなかった。
ハズいよね。」
「そんな事ないよ。俺だって、何もできないや。」
「でもそこからが凄くてね。２０分もしない内に不思議な医者がきてくれたんだ。
”しょーくんに見てこいって言われた”って。それが大野先生だった。
助かったーと思ってカズをお願いして店にいったら、店にはCLOSEの看板。もう、血の気が引いたよ。」
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ねこにゃん(プロフ) - orangeさん» ご挨拶いただきありがとうございますm(_ _)mなんだかんだでずるずる長くなってしまってます。どうぞ最後までお付き合いくださいね♪ (2019年9月5日 0時) (
レス) id: 4b03694919 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - 後れ馳せながら独立シリーズ？化おめでとうございます(*^^*)なんだかんだ大切にされる愛されカズちゃんのお仕事や能力や過去とか気になってしまいますねo(*ﾟ∀ﾟ*)o (2019年9月4日 22時) (レス) id: ec0a1d16c2 (このIDを非表示/違反報告)
ねこにゃん(プロフ) - orangeさん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます！面白いと言ってもらえて嬉しくてたまりません。まだまだ暑さは続くようですので、orange さんもどうぞご自愛くださいね。コメントありがとうございましたm(_ _)m (2019年8月14日 0時) (レス) id: 4b03694919 (このIDを非表示/違反報告)
orange(プロフ) - こんにちは暑い中更新ありがとうございます！(^^)summerとても面白くて引き込まれてしまいます(*^^*) (2019年8月13日 21時) (レス) id: ec0a1d16c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ちずるさん» 毎日暑いですね〜。ちずるさんも暑さには気をつけてくださいね。若い二人。書いていてとても楽しかったです。コメントありがとうございました♪ (2019年8月2日 8時) (レス) id: d02d1a736e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちえさん＆ねこにゃん | 作成日時：2019年7月9日 15時
