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旅行-8 ページ42

夕餉を終え、もう一度風呂に入る!と客室露天風呂ではしゃぎ回ったヒカゲとヒナタは流石に疲れたのか、布団で大人しく寝息を立てている。
私はそっと襖を閉じると干し梅を食べながらお茶を啜る紅の横に座る。

「寝たのか?」
「うん。もうぐっすりと」

流石に疲れたんだろうね。と私は言うと干し梅を一つ摘まむ。
干されて幾分か和らいだ、でも酸っぱい梅に口をすぼめてしまう。
種は取り除かれているので、そのまま噛んで飲み込んでいく。
紅は徐に備え付けられている冷蔵庫を開けると中から少し小さめな梅酒とコップを二つ取り出した。

「紅、そのお酒はどうしたの?」
「名前書いてた時に、夕餉の時の酒を聞かれてな…ヒカヒナがいるから夕餉とは別に貰った」
「嗚呼。この干し梅と一緒に貰ったのね」
「まァな…」

ヒカゲとヒナタが露天風呂ではしゃいでいる間に女将さんが食器を下げに来ていたので、その時だろう。
紅は外に出るぞ。というと露天風呂に続く戸を開ける。
慌てて追いかけると脱衣所も素通りし、お風呂の方へ。何をするのかと思えば着ていた浴衣の裾を上げお風呂に入っていく。
それはもうザブザブと。川じゃないんだから…と思いながら後を追うと紅は檜で出来た台に座った。
あ、そこ座れるんだ。私、物置きかと思ってた…。
紅は無言で見てくると自分の隣を手で軽く叩く。早く座れ、と。

「はいはい。急かさなくてもきちんと行きます。」
「別に急かしてはいねェよ」
「そう言いながらちゃっかり梅酒は注ぐのね」

私が隣に座ったことを確認すると紅は注いだコップを渡してくれた。
ここに座ると足湯が出来たんだ…。
足がじんわりと温泉で温められ、少し冷たいはずの夜風が心地好く感じる。
私は何だかホッとする心地で梅酒を一口。
梅の芳醇な香りと味、トロリとした舌触りに少し酒精が強いかな?と思いつつも飲みやすさにコップの半分くらいを飲んでしまった。
少し顔が熱い気がする。

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設定タグ:炎炎ノ消防隊   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - カニカマさん» 間違った読みで覚えてしまっていたみたいでお恥ずかしい限りです。現在は私生活が忙しく、趣味も執筆も妄想も捗らず、歯がゆい思いをしているのですが、いろいろ落ち着きましたらまたゆっくりマイペースに書いていきたいと思います。この度は誠にありがとうございました (2020年12月25日 0時) (レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - カニカマさん» 初めまして。誤字のご報告、誠にありがとうございます。また、お返事が遅くなり大変申し訳ありません。ご指摘頂きました鬼灯ですが、「ほおずき」に先程全て修正いたしました。とても助かりました。本当にありがとうございます!携帯の予測変換で変換していた為、 (2020年12月25日 0時) (レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいております。これからもご活躍を切にお祈りしております。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 題名で漢字変換もされており、文章でも繰り返し用いられているので「わざとかな?」とも思ったのですが、「変換できなくて『鬼』と『灯』で分けて変換してるという可能性もあるのでは」と思い至り、報告させて戴きました。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 炎ノ針子【弍】『鬼灯-1』夕夏の台詞の上から二行目に当たる文章の中で「ほうずき」とありますが、正しくは「ほおずき」です。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年11月12日 17時

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