旅行-6 ページ40
目的だった飴はすぐに見付かった。
試食もあったので一つ頂く。飴というには柔らかく、しかし餅というには固く、寒天というには粘りけがある不思議な食感がした。
味は旬の果物を使用しているらしく、いろいろな味があった。
私は葡萄を頂いたが、噛めば噛むほど濃厚な味が広がり満足感が増す。
これで決まりだな。と思うと「あそーと」と書かれたいろいろな味が入った箱を数十ほど持ち、会計をしてもらった。
流石に荷物になるので、ついでに第7の詰所に届けてもらえるように依頼した。
これで土産の方は解決である。
「それにしてもさっきの「パパ」呼びは効果覿面でしたね〜…二人の遊びに乗っかった感じだったけど、浅草以外なら効くな…」
お風呂の中で双子がせっかく「家族」って設定できてるのだから呼び方も合わせると面白いかもしれない。と言ったのだ。
最初はそこまでしなくても。と思ったが、この様子なら部屋以外は二人には呼び方を変えてもらった方がいいかもしれない…。
「後で二人に頼んでおこうっと…。それにしても三人とも遅いな…」
先程紅が座っていた場所に座り、三人を待つ。
牛乳を買うだけだったはずなのだが…何か見つけたのかな?
私がぼんやりと待っているとやがて元気な足音が聞こえた。
「「ママ〜!」」
「パパが牛乳買ってくれた!」
「ついでにねだったら飴も買ってくれた!」
「そ、そうなんだ〜よかったね」
何このデジャブ感!?
バッと二人の後ろからゆっくりと歩いてくる紅を見ると、やり返してやった。みたいなドヤ顔をしていた。
こ、こいつ…!
「余り髪を濡らしたままにすると風邪引くぞ」
「そうですね。皆へのお土産も買ったので、そろそろ部屋に戻りましょうか。旦那様?」
私も負けじに応戦する。
紅は一瞬キョトンとすると、すぐに余裕そうな笑みを返してきた。
え、何その顔!ズルい!!
偶々居合わせた娘さん方と同じ反応をしてしまったのは心外だったが、私は赤くなった顔を両手で叩くと先に行く紅の背を追って歩きだした。
双子はモゴモゴと買ってもらったお菓子を食べていた。
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颯(プロフ) - カニカマさん» 間違った読みで覚えてしまっていたみたいでお恥ずかしい限りです。現在は私生活が忙しく、趣味も執筆も妄想も捗らず、歯がゆい思いをしているのですが、いろいろ落ち着きましたらまたゆっくりマイペースに書いていきたいと思います。この度は誠にありがとうございました (2020年12月25日 0時) (レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
颯(プロフ) - カニカマさん» 初めまして。誤字のご報告、誠にありがとうございます。また、お返事が遅くなり大変申し訳ありません。ご指摘頂きました鬼灯ですが、「ほおずき」に先程全て修正いたしました。とても助かりました。本当にありがとうございます!携帯の予測変換で変換していた為、 (2020年12月25日 0時) (レス) id: 0be6f2aa57 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいております。これからもご活躍を切にお祈りしております。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 題名で漢字変換もされており、文章でも繰り返し用いられているので「わざとかな?」とも思ったのですが、「変換できなくて『鬼』と『灯』で分けて変換してるという可能性もあるのでは」と思い至り、報告させて戴きました。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
カニカマ(プロフ) - 炎ノ針子【弍】『鬼灯-1』夕夏の台詞の上から二行目に当たる文章の中で「ほうずき」とありますが、正しくは「ほおずき」です。 (2020年11月14日 9時) (レス) id: aef0ed3227 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:颯 | 作成日時:2019年11月12日 17時